『集会』のワケ ページ5
『勇者召還に成功した』
その言葉を聞いた瞬間、周りの貴族達が一斉に沸いた。──が、俺にはイマイチ理解できずにいた。
「ライスドさんライスドさん」
「──ん？なんだい？」
彼の顔は珍しく
「あの...『勇者召還』ってなんですか？」
「え？A君、絵本とか読んだことないの？」
「絵本...そういえば読んだことありませんね...」
えぇ〜、嘘だ〜、と白々しいにも程がある驚き方をし、しょ〜がないな〜、と満更でも無さげに教えてくれた。
「『勇者召還』ってゆーのはねぇ──」
────今からちょうど百年前のことだ。
この地を我が物にするために争い、そして死んでいった者達がいた。
戦ったのは、今もなお強国として存在する『ターガ公国』。当時も、負け無しの最強国家と言われ、世界中から恐れられていたそうだ。
普通、そんなところと戦うなんて、もっての他だろう。
──しかし、と言うべきか。対戦相手も普通ではなかった。
なお、正確に言うならば『国』は普通だが、『個人』が普通ではなかった。
元々のフィリアス王国は、今ほど発展しておらず、発展途上国であった。
だが、立地は良く、土の栄養も豊富だった為、質のいい野菜が取れた。いかんせん、人口が少ないといった問題があったが、住民達は皆自給自足で暮らしていた。
国民はそれで満足であった。
美味しい野菜と、慎ましやかな生活さえ出来ればそれでいい、と。
が、利権の豚どもはそれを許してはくれなかった。
公国は軍事力を盾にし、好き放題していた。
“気に入らない”という理由だけで滅ぼされた国があったり、他国での殺人、強盗は全て
偶然か、はたまた必然か。例によって、フィリアス王国も公国に目をつけられてしまう。
前述した通り、立地の良さが彼らには魅力的だったのだろう。
公国との、
公国vs王国
万に一つも勝ち目のない戦い。
諦めて降参するか...？否。降参しても、家畜以下の待遇が待っているだけだ。
基本、閉鎖的なこの国には増援も期待できない。そもそも、戦力が全くもって足りなかった。
では、どうする...？
ひたすらに無力感が募るばかり。
事態は混沌を極めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haru(プロフ) - 面白いです！ (2021年6月30日 9時) (
レス) id: 6cf492dda0 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - Noraさん» 褒めていただき光栄です！いつも女の子しか描いていないので、うまく描けるかわからなかったのです〜（汗） (2018年11月22日 19時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - 悠佳さん» 拝見させて頂きました。とても綺麗で、思わずみとれてしまう絵でした！本当にありがとうございます。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年11月22日 19時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - こんにちは!イメ画出来たのですが、いかがでしょう？ (2018年11月22日 18時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - ゆうりん＠アニメ厨さん» レスが遅くなり申し訳ありません。(忘れてたなんて言えない...)作品の方、読ませて頂きました。適格なアドバイス、ありがとうございます。これから、いっそう邁進いたしますので、応援のほどをよろしくお願いします。 (2018年8月21日 12時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
