『契約』side:勇者 ページ26
「...ここ、は」
そんな静かな声と共に、ローリエは夢の世界からの復帰を果たす。
「ここは相変わらず客室だ。...で、お前は何がしたかったんだ?」
因みに、ローリエは現在進行形でお姫様に膝枕されてソファーに寝かされいる。
「私とあの人──A・アズリアは仮契約しておりましたでした。私と勇者様、それともご主人様、それともそれとも旦那様...いえ、もうご主人様ですかますか。が本契約するためにはA・アズリアとの仮契約を切る必要があったのですます」
つまり、要約してみるとこうだ。
クソ野郎とローリエは元々仮契約をしていた。そして、俺と本契約するためには、クソ野郎との仮契約を解く必要があった。
そして、その仮契約を解くために俺とバトった...ということだ。
「なら、どうして最初、俺と仮契約をしたんだ?そもそも、仮契約が戦闘で解けるのは何故だ?そして仮契約と本契約の違いはなんだ?」
あまりに疑問が多すぎたため、思わず質問攻めにしてしまう。
「ちょっと、貴方。ローちゃんが困ってるじゃないの」
お姫様に諌められてしまう。
「いえ、いいのですます。ですが...この世界に来たばかりのご主人様には、まだ理解出来ない内容なので、ここではそういうモノだ、とでも思っていてくださいませました」
そういうモノ、ねぇ...
「なあローリエ。じゃあ、その下手くそな敬語も“そういうモノ”と見ていいのか?」
一瞬の静寂。
「...そういうモノ、でございますです」
「ローちゃん貴女...」
お姫様の憐れむような眼差しが印象的だった。
▼▲
「では本契約に移りたいと思いますです」
「なぁ、本契約って、具体的にどんなものなんだ?」
するとローリエは困ったような顔になって、
「そうですね...一般的な結婚と同意語ではないでしょうかますか?」
「すみません。やっぱり思考を繰り返した結果丁重にお断りさせていただきます。これからのローリエ様の人生に幸がありますようにとお祈りさせてもらいますね」
するとどうだろう。
ローリエは途端に怪しく笑った。
「国王様から直接言われたので、貴方に拒否権はありませんっ」
────
作者)余談ですが、同時刻、違う部屋で夢主は勇者を許すかどうかで散々悩んでいます。いやはや惨め。
作者)夢主の名前が出てくること事態が実に九話ぶりです。存在事態は十話くらい出てません。皆さん、是非、夢主のことを忘れないであげてください...
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haru(プロフ) - 面白いです! (2021年6月30日 9時) (レス) id: 6cf492dda0 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - Noraさん» 褒めていただき光栄です!いつも女の子しか描いていないので、うまく描けるかわからなかったのです〜(汗) (2018年11月22日 19時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - 悠佳さん» 拝見させて頂きました。とても綺麗で、思わずみとれてしまう絵でした!本当にありがとうございます。これからも頑張ってください、応援しています。 (2018年11月22日 19時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
悠佳(プロフ) - こんにちは!イメ画出来たのですが、いかがでしょう? (2018年11月22日 18時) (レス) id: 378e9b06a8 (このIDを非表示/違反報告)
Nora(プロフ) - ゆうりん@アニメ厨さん» レスが遅くなり申し訳ありません。(忘れてたなんて言えない...)作品の方、読ませて頂きました。適格なアドバイス、ありがとうございます。これから、いっそう邁進いたしますので、応援のほどをよろしくお願いします。 (2018年8月21日 12時) (レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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