【銀魂】せーりゃくけっこん°

不安に効くいつも通り ページ7

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ーーなんていうことがあったせいで、昨晩は殆ど眠れなかった。

何が起こったのかを理解したのは、我に返ってから、さらに暫くしてからだったし、その後何を考えても答えなんか纏まらなくて、結局『わからない』という結論に至ってしまう。

総悟に何か聞こうにも、朝から屯所にすら居なくて、避けられているのは明白だった。






「ここが……京………」






何だかんだ少し楽しみにしていた京だったけれど、行く途中の船はそれどころじゃなくて、ぼうっとしていたらいつの間にか到着していた。

地に足をつけてから私が呟くと、神威は意外そうに言う。






「A、来たことないの？」

「まあ、あるにはあるけど……少なくとも観光じゃ無かった。将軍の護衛とか」






そんな一大隊務中に呑気にそんな事をしていたのは総悟だけだ。私や土方さんは、将軍に何かあれば首が飛ぶだけでは済まないと、ずっと緊張しっぱなしだった。


あの頃はただ、真選組の為になることしか考えられなかった。
色恋ーーまして総悟の気持ちなんて、考えたことも無い。








｢……A、聞いてるの？｣

｢…！あ、ごめん……何？｣

｢別に、大した事じゃ無いから良いけど。あんまりぼうっとしないでよ。殺る甲斐ないだろ｣

｢……うん。気は抜かないでおく｣







総悟には、きっと沢山辛い思いをさせてきた筈なのに、私はこんな風に、惚れた相手と呑気に旅行なんてしていて良いのだろうか。

そんな不安が過ぎる中、神威がいつも通りで居てくれることが少し有難かった。

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