【銀魂】せーりゃくけっこん°

私のこころは ページ26

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｢(……情けない、でも……！)｣







神威と籍を入れた身で、なんて言い訳していたけれど、身なんて正直あまり関係ないのだ。


私の心が、神威に向いている。神威に当たって砕ける前に、総悟と向き合わなければならないけれど、それでも矢張り、ここで総悟の想いを受け入れるのは、違うと思う。

それこそふらふらして、一つ所に定まらない、軟弱な人間になってしまう。真選組の掲げた、士道に反する事になるだろう。









｢(私自身の口で、自分の想いをはっきり伝えなくちゃいけない)｣









それが、長い間、ずっと真剣に想ってくれた総悟への、せめてもの礼儀だと思うから。

小さく握った拳に力を込めて、しっかりと前を見据える。その先には当然、総悟の顔があって。緊張感を携えた、赤い瞳に焦点を合わせた。









｢総悟、今まで何も気が付かなくてごめん。…ずっと、抱えさせてしまって、ごめんなさい｣

｢てめェがこういう事に疎いのは昔っからだろィ。気にしてねェよ｣









珍しく、茶化すことも、更に貶すことも無く、総悟は庇ってくれるけど。

そういう事じゃない。それだけじゃないよ。伝えたい事は。謝りたい事は。









｢それに、ありがとう。沢山、考えてくれて。動いてくれて。本当に、嬉しかった｣

｢……A｣

｢…でも、ごめんなさい。今回の事……神威の事は、私は、喜べない。もし総悟が神威を斬れたとしても……嫌なの｣









こんな事、言いたくない。総悟のやろうとしてる事を、全部否定してしまうから。
でも、これだけは。これだけは、止めなくちゃ。

私は短く息を吸って、総悟を一番傷付けてしまうと分かっている、その言葉を口にした。








｢私は、神威との結婚を解消したくない｣

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