悪口だらけの裏に ページ22
・
「総悟…!何で此処に居るの!?しかも、何しに来たの?…あ、っていうか、ゴリラって呼ぶなって言ってんでしょ!!」
「一気に喋んじゃねーや、単細胞」
「本当、悪口ばっかだな!!!」
確かに、聞き取れるか聞き取れないかのレベルで色々捲し立ててしまったのは悪いけれど、こうしたくもなる。
何故総悟が江戸ではなく京に居て、しかも普通に話してくれるのだろう。此処に来る時の見送りにだって、現れなかったのに。
「…テメェに、急ぎで話が有って来たんでィ。…場所、変えられるな?」
私の疑問の念を受けて、総悟はそっぽを向きながら口を開く。…何処か、言い辛そうな口振りだった。
神威の事が頭を掠めたけれど、場所を変えるということは他人に聞かれたくないということ。多分、神威に限らず、第三者の同席は良くないだろう。
…神威には悪いけど、少しだけ。
「…分かった。ちょっと町の外れた所にしよう」
何より、総悟の話の内容が気になり、私は頷いて、再び歩き始めた。
*
ーーそれから、暫く歩く。そんな私たちの間に、会話はない。
「…ねぇ、何処まで行くの?」
「まァ、ここらでいいかィ」
町の外れとは言ったものの、一向に足を緩める気配のない総悟に問い掛けると、総悟は頷きながら立ち止まった。つられて私も足を止める。
周りを見回せば、いつの間にかどこぞの橋の上まで来ていた。橋の下の川が流れていて、水音がする。
「今まで散々回りくどくして来て、ロクなことが無かったんでィ。だから…単刀直入に言う」
唐突に、総悟が口を開く。ひどく早口で、一息に。
だけど私はそれに対して何かを感じるまもなく。…総悟の次の言葉に、私は目を見開いた。
「神威ってのは、俺達の敵だろィ」
1324人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
頑張ってください - ああああああああ久々に読んだら進んでてまた神威熱が… (2020年1月6日 1時) (レス) id: ac6d87c707 (このIDを非表示/違反報告)
自己満者 - 京篇凄い良くて、泣いちゃいました(笑)更新頑張って下さい! (2019年8月17日 15時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - むくさん» コメントありがとうございます。時間をかけて丁寧に書いたシーンなのでそう言っていただけるととても光栄です!これからもよろしくお願い致します。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 765bdcb728 (このIDを非表示/違反報告)
むく(プロフ) - 求婚シーンめっちゃ好きです〜!! (2019年5月25日 23時) (レス) id: 3bb4d6b7d5 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 匿名さん» 初めまして!そう言っていただけてとても嬉しいです。神威くんのイケメン台詞は割と心の声の方が潜んでいたりします笑これからもよろしくお願いします!コメントありがとうございました! (2019年4月29日 20時) (レス) id: d60993068d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:陽奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ryosukehar1/
作成日時:2019年1月8日 17時