【銀魂】せーりゃくけっこん、

海賊とお取引 ページ7

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サイド無し









「…商人？………ああ、成程」





商人、なんて当然身に覚えのない神威は一瞬首を傾げるが、直ぐに納得する。Aが自分の事を隠したがっていたのを、思い出したからだ。

それに、都合の良いことが、一つ。





「…解毒の方法なら知ってるよ。前に、偶々耳にした事があるんだ」





その毒は、春雨の雑兵連中が様々な星とやり取りしている物で、神威も耳にした事があったのだ。

それを聞いて、近藤と土方の目が活気付いた。






「そもそも、あの薬に解毒剤なんて必要無いんだ。“ある事”をすれば、一時的にだけど、簡単に解毒できる」

「その“ある事”ってのは何だ」

「…それを教えるのに、条件があるん……！！」







神威の言葉は途中で切れた。土方によって、その胸倉が荒々しく掴まれたからだ。

土方の瞳孔は既に限界まで開かれ、視線だけで人を殺してしまいそうな勢いで、神威を睨んだ。





「テメェの嫁さんが毒で苦しんでるかもしれねェってのに、呑気に取引たァ…一体どういう了見だ」





しかし、土方の全身から放出される殺気を受けながらなお、神威は動じるどころか、眉ひとつ動かさない。寧ろ、その青い瞳からは“好奇心”の様なものが読み取れて、睨み続けながらも、その事に土方は驚いていた。


その様子を見て、近藤が慌てて声を上げる。





「落ち着けトシ！！これじゃあ総悟を置いてきた意味が無くなるぞ！」

「……チッ」





自分の言った事を思い出したのか、悔しそうに神威から手を離した。…神威が小さく「…ちぇ、面白そうだったのに」と呟くけれど、それは誰にも拾われる事なく消えた。





「…Aが苦しんでるからこその取引だよ。条件は一つ」






ーー俺も戦場へ連れて行ってよ。

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