検索窓
今日:13 hit、昨日:28 hit、合計:357,604 hit

副長の判断 ページ5



沖田








「…それで?Aの状態は?」

「詳しくはまだ分かりませんが、抵抗している様子が全く見られなかったので、恐らく例の新薬を使われたものだと」

「…チッ、そりゃ厄介だな……」






ーー例の新薬。
…というのは、最近天人が浪士どもに流しているらしい毒薬の事だ。解毒剤はまだ俺たちの手元には無い、厄介すぎる薬。

それをAが飲まされたというのか。一体どうやって……






「(……待てよ、…)」






Aは団子屋に行ってから行方不明になっており、団子屋にはAに恨みを持って居ても可笑しくない奴がいる。

…まさか。まさか。


俺が考えている間にも、土方の方は結論を出したらしかった。






「やむを得ねェな。…山崎、討ち入りを早める。他の奴らに伝えて回ってくれ。早急に準備しろってな」

「分かりました!」






指示を受け、山崎が消える。それから、土方は俺に向き直った。






「総悟、お前も討ち入りに参加しろ。隊の準備が出来次第、直ぐに向かわせる」

「土方さんはどうするんですかィ」

「…俺は、近藤さんと薬の解毒剤探しだ。後から合流する」

「俺も行きやす」






若しかすると、Aが毒を飲まされたのは俺のせいかもしれないのである。俺も探しに行きたいに決まっている。






「駄目だ」






しかし、土方は即座に却下した。納得など行く筈もなく、俺は食い下がる。






「理由はなんですかィ」

「………行くのが、Aの旦那の所だからだ。彼奴の旦那は宇宙を股にかける商人。なら、薬の出所や、解毒剤の在り処も知ってるかもしれねェ」

「…そりゃ、俺が行けない理由にはなりやせんぜ」

「なら聞くが、お前はAの旦那と相対して、終始私情を挟まずに居られる自信はあんのか?」

「……」






土方のかっ開いた鋭い眼光がこちらを向く。そうだ、この野郎は、一丁前に俺の気持ちを知っている。
それを考慮の上での判断だと、そういう事なのか。


奴の考えはあっている。正直、自信はない。無いのは無いが……何て、いけ好かない野郎だ。






「分かりやした。今回は、アンタの言う通りに動きまさァ」

「いや、いつも言う通りに動けよ」






まだゴチャゴチャ何か言っている土方に背を向けて、俺は歩き出した。

商人らしからぬ→←遅すぎる帰り



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (391 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1032人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威 , 沖田総悟   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

モンブラン - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!応援しています。 (2018年12月27日 18時) (レス) id: e30eeb1aa9 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - limeさん» コメントありがとうございます。最高だなんてそう言って貰えてとても嬉しいです! (2018年12月20日 18時) (レス) id: 9c5936b685 (このIDを非表示/違反報告)
lime - 最高です…… (2018年12月19日 22時) (レス) id: d65845a82c (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 雨さん» おそくなってしまい、申し訳ありません!なんとか生還して参りました(笑)これからもよろしくお願いします! (2018年12月8日 14時) (レス) id: 9c5936b685 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - テスト頑張って下さい!更新楽しみにしてます! (2018年12月4日 22時) (レス) id: e3333da4ea (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:陽奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ryosukehar1/  
作成日時:2018年10月7日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。