【銀魂】せーりゃくけっこん、

偶然か、必然か ページ39

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沖田









「……あー」






俺は、一度屯所に戻ったものの、Aがもう退院したらしいとの報せを聞き、迎えに行く事にしたのだが、聞けば既に病院は出たとの事らしく。






「どこ行きやがったあのアマ」






夜兎で回復も早いとは言えまだ万全では無いだろうに、一体何処に消えたと言うのか。
会ったら斬りかかってやろうか、などと考えていた時、見たばかりピンク頭が目に留まった。







「…なんであんなトコにいやがんでィ」






奴が突っ立っていたのは、とある茶屋の前。
誰かと待ち合わせをしているという風でもなく、寧ろ誰かに逃げられたような、そんな雰囲気だ。

暫く棒立ちしていた奴だったが、やがて体の向きを変え、ゆっくりと歩き出した。






「………」






何となく、理由などある訳でも無しに、俺はその後をつけてみる事にした。
あのAを嫁に取った男のあり方が、気になったのかもしれない。


…だがこの行動は、後にAへ、大きく影響を与える事となる。









＊








「(……一体何処まで行くつもりでィ、彼奴ァ…)」






奴は、町からは遠く外れ、人気のない所まで歩いて来た。

この先は、寂れた港しかない。
商人が行くようなところは無い筈だが。






ーー本当に商いで食ってるのかは、知りゃしねェがな。





少し前に病院で、俺自身が言った台詞だ。
あれは挑発の為に、半分冗談のつもりで言ってみた事だったが、神威は、本当にただの商人では無いのかもしれない。

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