【銀魂】せーりゃくけっこん、

シリアス顔でパチンコ ページ38

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「……A、お前彼奴に告れ」
「今の話聞いてました！？」






暫く黙考していた旦那が発したのは、またまた意味の分からない言葉。本気で意味が分からない。






「聞いてたから言ってんだよ。お前、一生何でもないようなフリして、自分の気持ちに気付かねーフリして、彼奴と暮らしていくつもりか？そんなんで良いってのか」

「それは……」






良いはずがない。

…それに多分、私にはそんな事は出来ない。
きっといつかボロが出て、今以上に取り返しのつかない事になるやもしれない。


旦那の言葉は的を得すぎていて、私は何も言えなかった。







「だったら、一旦全部ぶっ壊して、それでもまだ惚れてんならまた始めりゃ良い。パチンコと違ってやり直しがきくんだ。素直に生きる方が、良いに決まってらァ」

「…旦那。……さっき負けたんですね」

「黙ってろボケ！！せっかく銀さんがシリアス顔で喋ってんだよちったァ空気読めよ！！哀れみの視線を向けるなァァァァ！」






有り金全部パチンコに流してしまったであろうこの人を横目で見ていると、自然と口元が綻んでしまった。
決して失礼な意味ではなくて。


私は立ち上がって、旦那に向き直る。







「…でも、ありがとうございます。私、凄く馬鹿な生き方するところでした」






この人には、色々教えてもらった。
お世辞にも、仲が良いとは言えないような関係なのに。

せめて、感謝くらいちゃんと述べたい。







「告る決心付いたのか」

「流石にそれはまだ。…でも、もう少し自分から歩み寄ってみようと思います。ちゃんと、素の私で」

「そうかい。んじゃま、ほどほどに頑張れよ」







そして旦那は立ち上がり、私に背を向けてゆらりと歩いていく。前にした時と同じように、私はその背中に向かって頭を下げた。

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