春雨の旦那様 ページ34
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「……ハァ、ハァ……相談してただけなのにどうしてこんなしんどい思いしなくちゃいけないんですか」
「…そりゃこっちのセリフだっつーの!なんで相談乗ってやってたのに殺されかけなきゃならねェんだ!!」
何とか先程の暴動もひと段落して、改めてベンチに腰を落ち着けた私たち。
旦那はジト目で私を見るけれど、元はと言えば変なことを言い出した旦那が悪いのだ。私に非がない訳ではないけど。
「…そもそもですね、旦那が言うような事以前に、相手は春雨ですよ?そんなもの……」
「そんなモンはただの言い訳だろ?」
「!!」
「敵だから?…だったらずっとテメェの胸ん中にでもしまっときゃ良いだろ。それをわざわざ言葉にしてるっつー事は、分かってんだろ?敵味方同行の問題じゃねェって」
私の言葉を遮って、旦那は死んだ魚のような瞳で、けれども真っ直ぐに私を見据えた。やはりこの人には何だかんだ全部お見通しだ。
自分の気持ちに気付いていてなお、迷っている事を。
「…ええ、旦那の言う通りです。分かってるんです。正真正銘、私自身が、あの男に……神威に、惚れている事くらい。…でも、」
「まだ何かあんのか……って、ん?今お前何つった?誰に惚れてるって?」
旦那の間抜けた声で、その場の空気が元に戻る。何か落差が激し過ぎてこっちが戸惑ってしまう。
「旦那にはまだ言ってませんでしたっけ。私の結婚相手、第七師団団長の神威と言いまして」
「へェ〜〜神威、神威ね。彼奴か〜……ってなるかボケェェェ!!!」
……あれ、なんだかデジャヴ。
驚愕の表情で口を大きく広げて叫びまくる旦那を見ながら、私は思った。
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モンブラン - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!応援しています。 (2018年12月27日 18時) (レス) id: e30eeb1aa9 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - limeさん» コメントありがとうございます。最高だなんてそう言って貰えてとても嬉しいです! (2018年12月20日 18時) (レス) id: 9c5936b685 (このIDを非表示/違反報告)
lime - 最高です…… (2018年12月19日 22時) (レス) id: d65845a82c (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 雨さん» おそくなってしまい、申し訳ありません!なんとか生還して参りました(笑)これからもよろしくお願いします! (2018年12月8日 14時) (レス) id: 9c5936b685 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - テスト頑張って下さい!更新楽しみにしてます! (2018年12月4日 22時) (レス) id: e3333da4ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:陽奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ryosukehar1/
作成日時:2018年10月7日 16時