確認の瞳 ページ21
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「…っきさん、卯月さん！」
「……っあ、す、すみません…！私、何だかぼうっとしていたみたいで……」
見つけた答えをまだ自分の中で受け止めきる前に、私は我に返った。心配そうにこちらを見つめるお京さんに、大丈夫だと笑ってみせる。
「無理はしないで下さいね。…じゃあ私、そろそろ屯所に行きます。ちゃんと、自分のした事は償わなければいけませんから」
まだ気にはなる様だが、お京さんは一礼して、ベッドから離れる。…そして最後に病室の扉に手を掛けて、もう一度此方にぺこりと頭を下げて、出て行った。
これで彼女なりのけじめが付けられたのなら、私はそれで構わない。ちゃんと後悔しているのだ。きっと彼女も、報われる日が来る。
「終わったみたいだね」
また扉が開いて、さっきとは逆で神威が入れ替わりで入って来た。顔を見ると、先ほど考えていた事が蘇ってしまいそうで、視線をなるべく逸らす。
そして、さらに気を紛らわすべく、口を開いた。
「あの、真選組は…？」
「奴らの残党追っ掛けて今も戦場じゃ無い？俺も参加したかったけど、『側にいてやれ』なんて言われちゃった」
戦場、か。私も、出来ることならきちんと参加したかった。……ん？
「あの…！近藤さんたちには…「安心してよ。一応、“商人”で通しておいたから」
「あ、そうですか…」
良かった。これでバレたら私の今までの努力は全て水の泡だ。
しかし、ほっと一息つけたのもここまでだった。
「それより、」
と、言いながら、神威の手が此方に伸びて来て。
抵抗する間も無く、私の入院着の肩口を思い切り引っ張られた。ブチブチ、とボタンが幾つか弾け飛び、首から肩に掛けて巻かれた包帯が露わになる。
何がしたいのか分からなくて戸惑っていると、神威の手は更に動いた。巻かれていた包帯を引き千切ったのである。
「…はっ、ちょ、何するんですか…！？」
これには流石に驚いて、すぐ様その手を払いのけ、乱れた入院着を整える。しかし、神威は何処か別のところを見ていた様だった。
私の身体じゃない、別の何か。
暫く宙を彷徨っていた視線は、やがて此方を向いて。その瞳は、何処か確信に満ちていた。
「…昨日俺が噛み付いた跡……結構深く噛んだけど、もう綺麗に消えてるよね」
「！」
「…まるで、
ーー空気が、凍った気がした。
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モンブラン - とても面白いです！これからも更新頑張ってください！応援しています。 (2018年12月27日 18時) (
レス) id: e30eeb1aa9 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - limeさん» コメントありがとうございます。最高だなんてそう言って貰えてとても嬉しいです！ (2018年12月20日 18時) (レス) id: 9c5936b685 (このIDを非表示/違反報告)
lime - 最高です…… (2018年12月19日 22時) (レス) id: d65845a82c (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 雨さん» おそくなってしまい、申し訳ありません！なんとか生還して参りました(笑)これからもよろしくお願いします！ (2018年12月8日 14時) (レス) id: 9c5936b685 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - テスト頑張って下さい！更新楽しみにしてます！ (2018年12月4日 22時) (レス) id: e3333da4ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ryosukehar1/
作成日時：2018年10月7日 16時
