【銀魂】せーりゃくけっこん.

フラグ回収シャウト ページ39

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「…じゃあね。届けてくれてありがと」

「明日からもしっかり働けよ」

「お前がな」





そうして総悟は、ひらりと身を翻して帰って行った。私はポツンと一人、残される。

あの桃頭を思い出すより先に、とある事が蘇る。


……そう言えば、






「…籍入れるのって、もう直ぐじゃ……？」






カレンダーを確認してみると、矢張りそう。入籍は直ぐ其処まで迫っていた。

ーーが、しかし。






「彼奴…帰ってくんの……？」





“暫く”と、ぼんやりとした予定しか知らないので、どうなるのか分からないが。

どうにも、フラグを建設してしまった気しかしなかった。








＊＊＊






ーーで。





「フラグ回収ゥゥゥ！！」





入籍日当日。つーかもう夜。ガランガランの我が家で、私の盛大なシャウトが響く。


まあそんな事だろうとは思っていた。帰る時は連絡を寄越すと言っていたし。………だ、けれども。分かっていた筈なのに…なんというか、こう…




ーーピンポーン




言葉にしづらい感情に、名前が付きそうになった時、丁度玄関のチャイムが鳴った。……帰って来たのだろうか？…いや、神威がわざわざチャイムを鳴らすなんて考えられない。


だとしたら誰？

不審に思いながら、扉を開くと。





「…えっと、どちら様？」





一瞬総悟かもと思ったりもしたが、全然知らない人だった。…本当に誰。

私の困惑が伝わったのか、その人が口を開く。






「私は幕府の役人です。貴女方の結婚の事情も把握しています。その事について、お話があって参りました」






ただ、機会的に要件を述べて、役人だという彼は懐から一枚の紙切れを取り出し、こちらに差し出す。それに目を落として、私は目を見開いた。

ーーだって、それは、






「…婚姻、届……」






普通の夫婦ならば、二人で想いを込めて書くのであろう、婚姻届。何故、これが役人の手元に？





「ご存知の通り、神威殿は只今宇宙にて仕事中。今日中に戻れそうにないので、我々の方で埋めさせて頂きました。後は、貴女の枠を埋めて貰えれば、手続き終了です」





確かに、よく見ると“夫”の欄には既に“神威”と記されている。

相手がいないのに、どうするのかと思っていたら、こんなドライな感じで済ませてしまうらしい。







「…分かり、ました。此処で少し待っていて下さい」






何とも言えない気持ちを胸に、役人から婚姻届を受け取り、私は家の中へと引っ込んだ。

ーー思えば→←また、隠れる、“本心”

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