【銀魂】せーりゃくけっこん.

お気に入り？ ページ31

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神威







「ブシュウ…に住んでて、コンドウに拾われた…か」





名前や簡単なプロフィールの次に書かれていたのは略歴。

このコンドウとやらは、聞き覚えがあった。Aがいつも口にしていた、おまわりさんの大将の事だ。

成程、これに恩義を感じて、今のあの忠誠心が出来上がっているらしい。





「ヒジカタトウシロウに…オキタ、ソウゴ……Aの上司。へェ…」





Aの資料には何故かおまわりさん達についても割と詳しく記されていた。このヒジカタやソウゴ、とやらもブシュウからの付き合いだと書いている。


…その頃に撮られたであろう写真も載っていた。写った人間は全員泥だらけで、Aもその中に違和感なく入り込んでいる。

今の小綺麗な印象からは、少し遠かった。






「ね、阿伏兎。疑問だった事が今ちょっと分かった気がする」

「何がだよ」

「Aが異常な負けず嫌いな事と、男慣れしてない事」






それがこの資料を読んで何となく分かった気がした。彼女の人生に、基本的に休息はない。

ブシュウで剣を始めて、ずっと剣に生きてきたのだろうという事がわかる。






「多分、女として扱われた事が無いのかもしれないよね」

「どういう意味だ？」

「そのまんま。Aは強い。だから、男と対等若しくはそれ以上に思われて来たんだよ、ずっと」






はたまた、A自身がそれを望んでいたのかもしれないが、そこまでは俺の知る由もない。

何であれ、常に男たちと対等に競ってきたからこそのあの負けず嫌いであり、その反動で、女として接される事に戸惑いを覚えるのだろう。


そこまで俺の推測を聞いていた阿伏兎が、恐る恐ると言ったように口を開く。






「あー、念の為に聞くが、団長はそのAっつー嬢ちゃんが好きなんだよな？」

「好き？そりゃあお気に入りではあるよ。銀髪のお侍サン以来のヒットだし」






思っている事を素直に言えば、阿伏兎は「あァ………」と何故か頭を抱え始めた。






「アンタはそう来るとは思ってたが……だよなァ、うん」

「何だかよくわかんないけど、取り敢えずムカつくから右手も吹っ飛ばしてやろうか？」

「いや、何でもないぜ団長！さ、仕事だ仕事！！」






誤魔化し感満載の阿伏兎を、追求するのも面倒で、俺はそれ以上何も言わなかった。

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