【銀魂】せーりゃくけっこん.

地球のご飯 ページ30

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神威









「……阿伏兎、この昼飯作ったの誰？」

「あァ？そりゃいつも通り食事係に決まってんだろ」

「…だよね」






現在、宇宙船の中。

俺は午前中の仕事を片付けたーー訳ではないが、お腹が空いたので取り敢えず昼食を取っていた。






「珍しいな、団長が飯に文句つけるなんざ。向こうで相当美味いモンでも食ってたのか？」

「少なくともこれよりはマシなのをね。地球のご飯が美味しいのは前から知ってたし」






昨晩も今朝も食べたAのカレー。一晩置いても美味しいなんて、地球には凄い食べ物があるものだ。


たった二食で、しかも一品食べただけ。しかも作ったのは料理初心者。それなのに、今まで当たり前に食べていた物がこうも不味く感じるとは。






「…団長、上手くやってんだな、意外と」

「は？何か言った？」

「いやァ、何でも。それより、そんな団長にオジサンからプレゼントだ。…ほらよ」






無駄に上から目線な阿伏兎が俺に何かを放ってきて、俺はそれを反射的に受け取った。見れば、それは紙束だった。

ーーしかも、見覚えのある顔が載った。


これは、若しかしなくても。





「Aの資料……お前、ずっと持ってたの？」

「捨てるにゃ載ってる情報が多いからな。念の為だ。団長、ロクに見ずに捨てただろ。有り難く貰っとけよ」

「……」






これを貰った当初とは、状況が違う。

あの頃の、不透明なケッコン相手には興味なんて更々無かったが、Aという一人の女が浮かんでいる今なら、別に見ても構わないかもしれない。

俺は並ぶ文字に、目を落とした。

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