【銀魂】せーりゃくけっこん.

物言いたげな ページ28

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そんな、夜が明けて。

まあ昨夜も一応一緒に寝た訳ではあるが、神威も本気で言っていた訳ではないと分かり、幾分か気が楽だった。


そして今は、また宇宙で仕事らしい神威の見送りをさせられている。





「じゃ、また暫く家開けるから。帰る時には多分知らせがいくと思うよ」

「そうですか。出来れば一生帰ってこないで下さいね」

「まだ昨日の事怒ってんの？そんなんじゃ長生き出来ないよ」

「心配しなくてもまだ十八ですから。まだまだイケます」





ドヤ顔で返してやると、神威は何故か驚いたように目を見開く。…まさか、この男。





「同い年だったんだ。知らなかったや」





本当に、資料のカケラも見ていなかったらしい。

……じゃあどっちに見られていたんだ。年下なら兎も角。年上はキツイぞ。まあ、別に神威にどっちに見られようが知ったこっちゃないか。

そう思い直し、私は口を開く。





「私は初めから知ってましたけどね」

「そうなの？じゃあ如何して敬語なのさ？抜けないクセとかじゃないんでしょ、聞いてる限り」

「それは……」





決まっている。仕事だからだ。仕事とプライベートを混ぜないのが私のモットー。

なのでずっと敬語で通してきたけれど。最早この結婚の空間自体、私のプライベートに成りつつある。敬語じゃなくても、良いのかもしれないのだろうが。


ーー何となく、それはしてはいけない気がする。


所謂、勘というヤツなので当てにはならないが、私の本能がそう告げている。





「別に、仕事のときはいつも敬語だから、そうしているだけです」





だから、当初の理由を押し通して、私はやり過ごそうとしたのに。神威もいつも通り、私自身の事は、聞いてきても、興味無さそうに頷くのだろうと思っていたのに。





「…そう。じゃ、行ってくるよ」

「……いって、らっしゃい」





奴は何故だか、物言いたげな顔をして、だけど何も言うことなく、出て行った。

私の知っているズケズケと踏み込んでくるような神威では無くて、少しだけ、ほんの少しだけ、気になった。

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