17歩目 ページ18
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オスマン先輩は追いかけてくる様子もなかったため、途中から速めた足を元の速さに戻した
放課後特有の、様々な部活動の音が聞こえてくる感じがたまらなく好きだ。
窓から見えるのは野球部と、サッカー部。
あ、あの金髪ってコネシマさんかな…背も高いし、ここまで声が聞こえてくるあたりきっとそうだろう。
ほう、サッカー部に入ってたんだね。なんて思いながら歩いていると、あっという間に教室についた。
「おかえり」
「おぉ。遅かったな」
「ごめんね、どれ飲もうか迷っちゃって」
なんてちょっとした嘘をつくと、珍しいな。と痛いところをつかれる。
「あっつ…放課後の教室って冷房入れたらあかんのん？」
「ダメやろ、でもつけたいよなぁ…」
確かに、7月上旬ということで暑いのは暑い。このままだとこの人らが脱ぎ出しかねないのでもう帰る？と聞いてみる
「アイス食いたいよな！ほな行こか」
アイス食べたさにガタッと音を立てて立ち上がったのはゾムだった。
「よっしゃ！ここから昇降口まで1番遅かったやつの奢りな！！」
「あー！！待て待てずるいぞ！私が足遅いの知っててやりやがって！」
シャオロンにより突然始まった奢りを賭けたレース、敗者はなぜか言い出しっぺのシャオロンだった。
なんならゾムと5分以上待ったくらいなのだ。あれ？確かにシャオロンが1番最初に走って行ったはずなのに
「いやぁ…なんかな、女の子に引き止められて告白されてん」
「えっ！？」
ちょっと、待って欲しい。急展開すぎる
「うそうそ、誰誰誰！？付き合った？いいよって言った！？」
私が興味津々にいっぱい質問する一方、ゾムはなぜだか一言も発さない
「え？付き合うわけないやん。俺人気者やし」
「不人気やんか」
「は？」
あれ、普通に喋ったしなんなら喧嘩ふっかけているのでどうやら喋ることが無かっただけらしい。良かった
「Aは心配やったんよな？幼馴染のシャオロンが他の女の子に取られてまうのが」
「なぁんやそんなことやったん？カワイーとこもあるやんかぁA」
「え、はぁ？」
2人で煽り合いが始まるかと思ったのに、なぜか矛先が突然こちらへ向いた。
「違いますー！シャオロンに彼女が出来たら距離置こうと思ってただけです！」
「なんやて！？それは許されへんわ」
「えっなんで！？」
さすがにそれは、私も恨まれる
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作者名：良質な睡眠 | 作成日時：2022年3月31日 15時
