青空の愛

♯ ページ12

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妊娠したかも、と報告されてから、一応市販の妊娠検査薬を使ってもらった。


『出てる！！ 線入ってる！！』

興奮気味に見せられたそれにはしっかりと縦線が浮き出ていて、Aの中に新しい命がいることを知らせた。



『マジか、俺ウォーリーの時に決めちゃったの……？』


『そうなるね』

後にも先にも妊娠に繋がるような行為をしたのはこ あの時だけ。その後も何回かやったけど、ゴムを付けてたからあれでできたとしか思えない。

こんなに早くできるとは思わんかった。もう少しあとでいいかな、なんて考えてた。でもAとの子供は絶対に欲しかったから純粋に嬉しい。



『俺との子、妊娠してくれてありがとう』

Aといればお金では手に入らないが、貴重で価値のあるもの達が手に入る。



『Aもお腹の子も、絶対に愛するからね。頼れる夫で父親になる』


『頼りにしてます』

磁石がくっつくように俺らは抱きしめ合う。いつもとは違う感慨深さの中で新たな幸せが芽生えた瞬間だった。

俊光には東海オンエアの誰よりも早く伝えたかった。俺らが中学生の時から今までずっと近くで見守ってくれた。早く付き合え、と背中を押してくれたのもこいつだ。



「はあ……、誰の妊娠報告より嬉しいがや……」


「しばゆー怒っちゃうよ」


「あいつはな、まあ色々あるげえ……」

もしいい顔をされなかったら……、とAは不安がったけど、俊光はそんなやつじゃない。泣いて喜んでくれるから、こっちまで貰いそうになった。



「確定したらまた教えてくれん？ 俺もAのことちゃんと見とかんといかんし」


「了解」



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あれから1週間、新しい撮影部屋で編集しながら連絡を待つ。本当は病院に一緒に行きたかった。自分も父親になるだろうし、この目でしっかり確認しておきたかったから。

でもAに断られた。東海オンエアが産婦人科に2人もおったらバレるやろ、ってね。



「りょうくんどうしたの？ 全然落ち着きねえやん」


「ちょっと色々あってね……」


「ふーん」

自分で聞いておきながらふーん、で終わるのか。改めてしばゆーは面白いし変だと思う。



「まだか？ まだ連絡はこんのか？」


「まだ」


「ああー、早く教えてくれんかな……」


でも何だかんだで1番ソワソワしているのはとしみつだった。

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