ep.13 ページ13
ぐいぐいぐい、手荒に腕を引っ張られるので
私は後ろから足を蹴った。目の前の男の。
「お前！世界一のストライカーの足に何してんだ！
クソ行儀悪いな」
『貴方も世界一の料理人の手首をなんちゅう力で握りしめてるんですか！刺しますよ！』
結構な勢いでふくらはぎあたりを狙ったつもりだが
バネのように跳ね返って自分の体幹が揺らぐだけだった。
サッカーしてる人って本当に下半身の発達が異常だ。
『(何食べて生きてるかだけ教えてほしい)』
「商売道具だぞ」
『そっくりそのまま返します。このっこのっ』
先ほどまでじゃないがそれでも踵あたりをげしげしと
蹴り続けていたら、流石に怒ったのか目の前の外人は
するり、と私の手に指を絡めてきた。
「なーるほど、手繋ぎたいならそう言え地味女♡」
『違います！「カイザー！」』
外人の手から逃れたいのに、絶妙な力加減とフィット感で
どうにも逃れづらい。
私たちの攻防を止める声が
少し離れたところから聞こえてくる。
「ああ、カイザー探しましたよ！
だれなんです？このブサイクは！
さあノアも待ってます。行きましょう」
こちらに駆け寄ってきたのは柔毛のタレ目の男の子。
私の方には目もくれずカイザーと呼ばれた男を
私から掻っ攫っていく。これは私にも好都合だ。
「おおネス！」
「全く貴方って人は...そういうところも素敵です」
随分とカイザーに心酔しているんだな。
絵心がカリスマ、というだけはある。
オーラも見た目も世界の風格がバシバシと溢れている。
『では私はこれで。参考までに聞きますが好き嫌いやアレルギーはありますか？』
「何を言ってるんだこの女」
「この地味な女はここのシェフなんだそうだ、ネス」
『ないんですね。了解です。
ならば私の料理は完食してください。』
絵心は同い年くらいだと言っていたけど
外国人ってやっぱ妙な色気みたいなものがあるし年上に見えるなあ。
「日本のこんなちんけな監獄のシェフなんて
大して期待してませんよ」
「まあそう言うな、名前くらいは聞いてやってもいいぞ」
『...AAです』
私が名乗っても、興味がない、と言う感じだ。
まあこう言う扱いここでは普通だから慣れてきたけどね。
「A？世界一を自称した割には知らないな。日本の料理界の至宝といえばツキシロだろ。あれはドイツにも店がある。別格だ。」
『...そうですか』
月城という名が示すもの
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きゅんた(プロフ) - たるとさん» 初コメありがとうございます〜！誤字ってますね〜！指摘ありがとうございます♡主人公総受けなんでまだまだ関係拗れていったらいいなあ〜！！！ (2023年1月30日 2時) (
レス) @page17 id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - 初コメ失礼します！！いつも楽しく読ませてもらってます！！玲王との展開も楽しみですしカイザーとの関係最高すぎます〜！！あと少し気になってしまったのですがティラピスじゃなくてピラティスな気がします！！細かくてすみません汗 (2023年1月30日 1時) (レス) @page17 id: 33239378f6 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - まるさん» 報告ありがとうございます〜！外しました！ (2023年1月28日 13時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ！ (2023年1月28日 7時) (レス) @page1 id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゅんた | 作成日時：2023年1月21日 22時
