笑顔で隠した本心 (ページ7)

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次の日私は悪夢のせいで5時には起きてしまった。目を閉じると今でも思い出すのはフレッドが冷たくなってるあの時…触れた感触も流した涙も全て覚えてる。

乱れてしまった呼吸を整えてから、初めてフレッドと会った時に来ていた服に着替える、魔女になったのだからと浮かれてた私が選んだのは黒いワンピースだった。

とても上品には見えない、子供が好きそうなフリルをあしらったワンピースに着替えるのは少し違和感があったけど、着替えてからドレッサーの前に座る。

『大丈夫…きっと、大丈夫だから…落ち着いて』

櫛で髪を梳かしながらも、鏡越しに見える不安そうな顔をした私に言い聞かせる。きっと私はフレッド以外に告白されても承諾は出来ない。

私の人生はフレッドと一緒にって決めてるから。

『ほら、笑って？でも…次は心からの笑顔でね』

髪を三つ編みにし終われば、鏡越しに微笑んでみせるまだ不安に満ちたような笑顔だけど、きっと大丈夫。

そんな気がしてる、ドレッサーから離れて自分の部屋に置いてある呪文学の本を手に取ってベットに座り読み始める。

(1年生の呪文は大丈夫…問題は4年からの呪文…その時には追いつけなくて諦めてたから。)

ページをある程度めくってから4年の呪文についてを熱心に読んでいたら、朝日が登って7時になって屋敷しもべのラルが挨拶に来た。

ラル｢お、お嬢様！？もう起きていらしたのですか！？｣

『うん、目が覚めちゃった』

ラルは母さんたちが死んでからも私の傍にいてくれた、もう1人の家族。誰よりも大切な家族だ。

純血主義でもない私たちは、屋敷しもべにもちゃんとした服を渡している。もし、解雇する事があればスカーフを渡すと決めているから。

ラルもちゃんとした服を来て、私たちの身の回りの事をしてくれてるのだ。

ラル｢よっぽど楽しみだったんですね！朝食が出来てますよ｣

楽しそうに笑うラルにお礼を言ってから、本を閉じて1階へと降りる。