笑顔で隠した本心 (ページ5)

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次の日、先ずは1つの問題を片付けようとAは自分の家の階段を降りていた。

代々チェント家は、レイブンクロー卒業だった。頭が良く聡明で何事もこなしている。前の人生ではAも例外ではなく親が望むレイブンクローへと入ったのだが。

『母様、父様…お話があります』

大きな食卓への扉を開けた瞬間Aは両親に向け口を開いた。

『私、ホグワーツ魔法魔術学校ではグリフィンドールに入りたいんです。』

Aの言葉を聞いた瞬間、母親は固まり父親は飲んでいたコーヒーを吹き出しかけた。

まさか、臆病で虫も殺せないような大人しいAの口からそんな言葉が出るとは思っておらず、むせかけた呼吸を抑えながら父は自分の娘を再度見つめる。

父｢グリフィンドールに？あそこは勇猛果敢な人が行く寮だと分かってるのかい？｣

『分かってます、でも私…どうしても行きたいのです。父様達がレイブンクローを望んでるのは知ってます…！でも…ッ！』

母｢ちょっと待って…A｣

Aが決意を口にしようとした瞬間、母親がその発言を止めて困ったように微笑んだ。

母｢私たちは何も、レイブンクローを望んでるわけじゃないわ｣

『……ぇ』

父｢そうだとも…おいでA｣

優しく微笑む父にゆっくりと歩み寄れば抱きしめられた。

父｢AはAが望む人生を歩むんだ、たしかに私たちは代々レイブンクローだが、それはAには関係ない｣

そんな父を見て母も近づいてきて私の頭を撫でて続ける。

母｢私たちがレイブンクロー卒業だからって、変にプレッシャーになってたのならごめんなさい。

でも、私たちは何よりもAが生きやすいように生きて欲しい貴女がグリフィンドールを望むのなら。きっと帽子も汲み取ってくれるわ。｣

私は…初めて両親の本心を知った。ずっと私には自分たちのように生きて欲しいと勘違いをして、死ぬ直前にも会えなかった両親は

こんなにも私を想っていてくれた。

『ｯ…ありがとうｯ…父様、母様ｯ』

泣きながら抱きつけば両親は優しく微笑んでくれた。