また、スペック ページ31
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コーヒーから不規則に白い湯気が立ち上っては消えていく。
砂糖やミルクなんかも傍に置かれていていつもなら遠慮なく使ってしまうが、カップの中身はブラックのまま。
わたし好みにそれらを混ぜてしまわないのにはちゃんと理由があってのこと。
「コーヒー、いりませんでした?」
どくり、と鳴る心臓に合わせて肩まで跳ねてしまう。
見ると、彼______安室さんは、わたしと同じコーヒーカップとソーサーを持って、カウンターに寄りかかっていた。
「まぁ…ちょっと、気分が優れなくて」
これは建て前。
ほんとはあの時からずっと、手の震えが止まらないから。
それを彼に悟られたくなかった。
「そうですか…」
目を合わせると隠していることがバレそうで、見れないけど。
カチャリという音が聞こえたから、たぶんコーヒーを飲んだんだと思う。
______あのとき、ポアロから出てきた安室さんの対応はすごかった。
完全に混乱して正常な思考ができなくなる寸前、まさにわたしが願った瞬間に現れて、昔と同じく何が起こったか理解できなかった。
怯むことなく、むしろこっちが凄むように言葉で威嚇して。
しかし相手側はなおも抵抗しようとしていて、あっちの手が出たところをなんと拳一発で制圧。
わたしを安心させるように笑いながら、ボクシングもできるんですよね、僕、と言ってのけた。これでまた安室さんのスペックが知れたわけだ。
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緑那(プロフ) - 三日月涼風さん» いーえどうかお気になさらず^^ (2018年5月12日 12時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月涼風(プロフ) - 緑那さん» そうなんですね!お恥ずかしい(笑) (2018年5月11日 3時) (レス) id: 089d604416 (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - 三日月涼風さん» ひえええありがとうございます嬉しい!!なるべくはやく更新できるようにしますね!実は設定のとこの古谷はCVの方の古谷なんです…零じゃなくて徹なんですよ… (2018年5月10日 22時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月涼風(プロフ) - 今日作品拝見させていただきました!ものすごい続きが気になります!最初の、設定のところの古谷ではなく降谷ではないでしょうか? (2018年5月10日 0時) (レス) id: 089d604416 (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - 美空さん» 実はわたしの夢主、自分の性格をピックアップしてちょっと改良した子がほとんどで、この人もそうなんです。つまりわたしも他人と話すのがとても苦手なんですよ…仲間ですね('ω') この小説最近手詰まってきちゃったので、そう言って頂けるととてもありがたいです。 (2017年9月7日 21時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緑那 | 作成日時:2017年4月21日 7時