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酷い萌え様 ページ28

彼は表情に出ているように疲れているのだろう、肘のあたりに額を載せて、動かなくなった。



寝てしまったのならチャンスだ。今のうちに帰ろう。




心臓を落ち着けると、真後ろ辺りから足音が聞こえてびっくりした。



今にもたたらを踏んでつんのめってしまいそうな、危うい足音。



振り返ってみると、いかにもべろべろに酔っ払っていることが伺えるおじさんだった。たぶん、さっきまで遠くの方で歌ってた人。



こんなに近づいてても気づかなかったなんて、わたしそんなに夢中だったんだな。




眠っている(ように見える)彼に気づかれないように、静かに立ち去ろうとすると。




「ネェチャン、こんな夜遅くまで仕事かァ?」




…絡まれた。しかもそれなりの声量で。




「あぁ、はは…まぁ、そんなところです…」



「そりゃご苦労なこった!お疲れ様ですっ」




な、なんだこのおじさん、酔ってるせいか口調が安定してなくてなんか変なキャラになってる。



地味な萌えポイントを発見してしまって後ろ髪を引かれる思いだが、おじさんの言うとおり夜も遅いから帰らせてもらおう。




「あ、ありがとうございます…では失礼しますね」




おじさんに若干萌えたとか、絶対人に言えないな…ツイッターの裏アカで呟いとこ。




「んだよ、釣れねーな」



「え…?」



「あんたもどーせ内心じゃぁめんどくせえって思ってんだろ!?」



「は、ハイッ…!?」




その後もなんだかグチグチと文句を垂れていたが、どれも呂律が回っておらず、聞き取れない。



それにやっぱり声が大きい。このままだと彼にバレてしまう。



このおじさんも悪酔いしてるだけみたいだし…




…よし、おじさんが変なことしないうちに走って逃げよう。たぶんそれが最善策。




意識が少しそれた、その一瞬を狙って。



自分の持っている運動神経の全てをフル活用して走り出した、つもりだった。




さっき後ろ髪を引かれる思いとかなんとかごちたけど、ほんとに後ろ髪を引かれるなんて思わなかった。

作者タイム┏( .-. ┏ ) ┓→←きっと大丈夫



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緑那(プロフ) - 三日月涼風さん» いーえどうかお気になさらず^^ (2018年5月12日 12時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月涼風(プロフ) - 緑那さん» そうなんですね!お恥ずかしい(笑) (2018年5月11日 3時) (レス) id: 089d604416 (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - 三日月涼風さん» ひえええありがとうございます嬉しい!!なるべくはやく更新できるようにしますね!実は設定のとこの古谷はCVの方の古谷なんです…零じゃなくて徹なんですよ… (2018年5月10日 22時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月涼風(プロフ) - 今日作品拝見させていただきました!ものすごい続きが気になります!最初の、設定のところの古谷ではなく降谷ではないでしょうか? (2018年5月10日 0時) (レス) id: 089d604416 (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - 美空さん» 実はわたしの夢主、自分の性格をピックアップしてちょっと改良した子がほとんどで、この人もそうなんです。つまりわたしも他人と話すのがとても苦手なんですよ…仲間ですね('ω') この小説最近手詰まってきちゃったので、そう言って頂けるととてもありがたいです。 (2017年9月7日 21時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緑那 | 作成日時:2017年4月21日 7時

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