【名探偵コナン】人生の勝ち組と負け組って絶対釣り合わない！【安室透】

真夜中の邂逅 ページ25

そういえば学生のときにこのことを何気なく和佳に話したっけ。



『あんたねぇ、成人するまでに3人とは付き合うもんよ。ビビっときたらすぐ告っちゃえばいいの、後のことは後で考える！』




なんて言われたけど、その時わたしは割とヤバめの恋愛小説を読んでて聞いておきながらそんな話どうでもよかったから、




『和佳もそうなの？その度に膝開くんだ、みんな尻軽〜』




なんて言っちゃって、全力で引っぱたかれた。



確かにあれはわたしが悪いけど、家に帰ったらたんこぶが出来ててちょっと恨んだ。



ただ、あの後会話らしい会話をしなかったので真相は闇の中である。




信号の色が変わって、また歩き出す。ポアロに近づく。



______安室さん、いたりしないかな。



そんな可能性、限りなく低いのは分かってるけど。




でも…期待せずにはいられない。




できるだけさり気なく、なぜか足音まで忍ばせて店内を覗いてみると…





誰もいない。ですよね。




そもそも明かりさえついてないんだから、いるわけないじゃないか。




バカだなぁ、と苦笑した。



自分の中で収拾をつけて、立ち去ろうとして、その時______







扉が開いた。



こっち側ではなく、カウンターの奥にある扉。



奥の部屋にさえ明かりはついていないようで、店内は依然として暗いまま。



ただ、そこから出てきた人を視認して、思わず植木に隠れてしまった。







…いるんじゃん、安室さん。

本来の姿、見え隠れ→←これは絶対に譲れないんです

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す