強制無理ゲー ページ15
「あんたが焼いたクッキー、試食できる?」
「あ、うん。…はい」
カバンからタッパーを取り出し、和佳に手渡した。
作るって決めたときから、どうせなら和佳にもあげようと思って多めに作っていたのだ。
面倒だからラッピングはしなかったけど。
丸々1個をそのまま口に押し込み咀嚼。
すると、和佳は眉を顰めた。
…おいしくなかったかな?
「あんた…いつの間にこんなおいしいもの作れるようになったのよ」
「ほ、ほんと?大丈夫だった?」
「ん。渡してもいいんじゃない?」
よ、よかった…けどそんな顔する必要なくないですか。
そんな思考を汲み取ったのか、タッパーをわたしに差し出しながら、ずいっと顔を近づけてきた。
「中学のとき製菓部だったんだよ〜って前に持ってきたやつより、断然おいしいんだもの。わたしの知らないところで勝手に作って食べてたでしょ」
「いやだって、わたしだって持っていこうかなーって思ったよ。でもガトーショコラあげたときに太るからあんまりいらないって和佳が」
「え、そんなこと言った?」
「言った言った」
「あ、そう」
…謝んないのかい。
「…ま、ありがと。おいしいって言ってくれ」
「あああーーーっ!!」
通行人もびっくりな大声をあげ、和佳は立ち止まった。
「うるっさいな!なに?どうしたの?」
「財布デスクの上に忘れてきた!先行ってて!」
「は、えちょっ…」
1人取り残されたわたし。
和佳がいないってことは、
…わたしが1人で、渡すってこと?
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緑那(プロフ) - 三日月涼風さん» いーえどうかお気になさらず^^ (2018年5月12日 12時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月涼風(プロフ) - 緑那さん» そうなんですね!お恥ずかしい(笑) (2018年5月11日 3時) (レス) id: 089d604416 (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - 三日月涼風さん» ひえええありがとうございます嬉しい!!なるべくはやく更新できるようにしますね!実は設定のとこの古谷はCVの方の古谷なんです…零じゃなくて徹なんですよ… (2018年5月10日 22時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月涼風(プロフ) - 今日作品拝見させていただきました!ものすごい続きが気になります!最初の、設定のところの古谷ではなく降谷ではないでしょうか? (2018年5月10日 0時) (レス) id: 089d604416 (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - 美空さん» 実はわたしの夢主、自分の性格をピックアップしてちょっと改良した子がほとんどで、この人もそうなんです。つまりわたしも他人と話すのがとても苦手なんですよ…仲間ですね('ω') この小説最近手詰まってきちゃったので、そう言って頂けるととてもありがたいです。 (2017年9月7日 21時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緑那 | 作成日時:2017年4月21日 7時