女の子の日 ページ17
「愛星〜、今からコンビニ行ってくっけどなんかいる〜?」
ある休日の午後。
昼間近になっても姿を現さない愛星の様子を確認がてら部屋を覗けばベッドの上でうずくまっているようだった。
「どした?体調わりーの?」
ベッドの端に腰かければ、シーツの隙間からぴょこっと顔を出す。
その表情はどこか苦痛に耐えているように眉を寄せ目を○ませていた。
「…おなかいたい。鎮痛剤ほしい。」
消え入るように呟いた愛星が弱々しく俺の腕をつかむ。
「あー…あれの日か。」
そういえば月に1度愛星がナーバスになる日があった。そう、いわゆる女の子の日ってやつ?
いつもは明るく元気で働き者な愛星が唯一身動きが取れなくなる日。
男の俺には到底想像できない痛さなんだろうなぁとか思いながら、俺のできることがあればなんでもしてやりたいと思っている。
「薬買ってこようか?」
痛みによる不安からか俺を見て安心したのか、
目尻に浮かぶ涙の滴を指先でそっとすくってやりながら優しく問いかければフルフルと首を横に振った。
「だっこして。」
気だるそう○○そのそと起き上がったかと思えば、甘えたような声で囁いて俺の服の裾を握る愛星。
体調不良で弱ってるその姿はいつも以上に儚げで俺が守ってやらなくちゃと使命感のようなものが芽生えるのを感じた。
「仰せのままに、姫。」
ベッドに深く腰掛け体勢を整えてから両手を広げてやれば愛星が俺のあぐらの中に収まった。
「シルク、あったかい。」
横抱きにしてやると愛星は俺の胸元にぴたりと頬をくっつけ目を閉じた。
「腰さすってやろうか?」
「ううん。いっぱいギューッてして。」
華奢な体が折れてしまわないように最大限の力を込め愛星の体を労ってやる。
「あとは?なんでもワガママ言っていいぞ。」
「シルクがそばに居てくれるだけでいい。」
「言われなくてもずっといるよ。」
優しく笑って愛星の顔を覗き込めばいつの間にか眠ってしまったようだった。
「弱ってる時だけじゃなくていつでも甘えろよ。お前のワガママぐらいいつでも叶えてやるから。」
俺の腕の中ですっかり安心しきっている愛星のこめかみに唇を寄せれば、愛星がふわりと微笑んだ気がした。
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大好きな人の抱擁=最大限の安定剤
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愛星(プロフ) - 星空夢月(ダホマサモトシル)さん» リクエストありがとうございます!少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月(ダホマサモトシル)(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか? (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます!悶える…最高の褒め言葉です!ゆっくり更新ではありますが、これからも2人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました!悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます!私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と「好き」を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします! (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛星 | 作成日時:2018年12月26日 5時