はずかしがり屋(↑の続き) ページ15
「愛星、先入ってるぞー!」
「はーい。ちょっと待っててね。」
着替えを済ませた俺は愛星に声をかけ、先に露天風呂に入り待つことにした。
露天風呂から見る景色は絶景で早く愛星にも見せてぇなぁ…と思うと自然と顔がニヤケた。
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愛星を待っている間は不埒な想像ばかりが脳内をかすめた。
露出度たけーのかなとか俺の理性はちゃんと仕事をしてくれるのだろうかとか…。
「シルク、おまたせ。」
いらぬ妄想をかき消すために目をつぶりブンブンと頭を振っていれば扉の開く音とひかえめな愛星の声が聞こえて、俺はゆっくりと目を開けた。
「…は?なんで…」
愛星の体にばっちりと巻かれた白いタオル。
水着の肩ヒモが見えてるから下にちゃんと水着は着てるはずなんだけども。
チラチラ覗く太もものラインとか、白い鎖骨とか。見えそうで見えないすべてが逆にやばくね?とか、考えてしまう俺は相当な変態なのかもしれない。
「…なんか、急に恥ずかしくなって…」
温泉の蒸気で頬を薄く染めながらモジモジとタオルの裾を指先でいじる様子は俺を誘っているようにしか見えず。
「…アホ。早く来いよ。」
ただ、ぶっきらぼうに返すことしかできない。
意を決したようにタオルの結び目に手をかけて、まっすぐに俺を見つめる愛星から目を離せなかった。
「あんまり見ないでね。」
音を立てずに落ちたタオル。
消え入りそうな愛星の声。
愛星の肌の白さを強調するような赤い水着。
デザインはとてもシンプルでそれがまた愛星の体のラインを際立たせていた。
「かわいい。似合ってる。」
愛星のすべてを目に焼き付けようと必死でほんとは水着なんて全然目に入ってない。
「だから、そんな見ないでってば…」
すねたように頬をふくらます愛星。
今すぐにでもその柔らかな頬に触れたい。
「俺とお前しかいねーんだから、もっと近くで見せて。」
手を伸ばして呼び寄せればそっと愛星の手が触れ、おずおずと湯船の中に足を踏み入れきた。
俺と距離を取るように端っこの方に小さく身を寄せる愛星の姿に思わず吹き出してしまう。
「別に取って食いやしねーから。俺の隣がら空きで寂しいんですけど?」
「変なことしたら絶交だからね。」
隣に愛星が並べば互いの肩が触れて少し気恥ずかしい。
いつの間にか、露天風呂から見る景色は雪に染まり始めていた。
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愛星(プロフ) - 星空夢月(ダホマサモトシル)さん» リクエストありがとうございます!少しお時間いただきますが、ぜひ書かせて頂きたいと思いますのでしばらくお待ち頂ければ幸いです。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: b124745788 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月(ダホマサモトシル)(プロフ) - リクエストです。シルクと彼女が入れ替わるって話お願いできますか? (2019年5月5日 20時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - koyumaさん» コメントありがとうございます!悶える…最高の褒め言葉です!ゆっくり更新ではありますが、これからも2人を幸せにしていきたいと思っているので応援よろしくお願いします。 (2019年4月16日 22時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
koyuma(プロフ) - 一気に読ませていただきました!悶えました!!!好きの気持ちの揺れ動く様子がすごく伝わってきました。これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月16日 19時) (レス) id: 96592c7e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛星(プロフ) - きぬたみさん» コメントありがとうございます!私自身もシルクさんのこと大好きなので、いろんな方々と「好き」を共有できることが嬉しいです。ゆっくり更新ではありますが、これからも頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします! (2019年3月30日 18時) (レス) id: 31293b8be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛星 | 作成日時:2018年12月26日 5時