復讐 5 ページ6
「やっぱり?」
黒猫「君もそう思ってたの?」
「えぇ」
完璧に心を読まれている。悪魔じゃなくて、さとりよね。どう考えても。
黒猫は尻尾を振って言う。
黒猫「強くなりたいなら、協力するよ。ただし、条件があるけどね」
【協力】その言葉が聞こえたとき、脳内に花が咲いた。祝福の。
「条件?」
高まる気持ちを抑え、黒猫に問いかける。
黒猫「うん。まずは、死んで?」
「………え?」
一瞬で脳内に咲いた花が散った音がした気がする。
黒猫「死んだら、強くなれるよ」
「待って。それじゃあ、私がこの世から消えちゃうじゃないの」
黒猫「大丈夫だよ。僕に任せてごらん」
私が死に近づくってのに、呑気そうに言う黒猫。悪魔にとって、死は当たり前なのかしら?
「それで、どうやって死ねばいいの?」
黒猫「僕には魔法が使えるんだよ。それで君を殺せる」
「はぁ…」
魔法が使えて、おまけに人を殺せるなら、私じゃなくて、バカ両親に使えばいいのに。私の手で殺せってこと?
黒猫「さて、もういいかな」
「………いいよ」
黒猫「じゃあ、また会おうね」
この言葉を最後に、私の視界も意識も、全てが終わった。
夜に近かったためか、私が死んだことに気づいたのは誰もいなかった。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ