待ち人 ページ9
テレビでは連続物のドラマを放送していた。
なんとなく見ながら歯を磨いたり、少し落ち着かない。
独り暮らしなのだから、いつもの生活と大差ないのにどこか淋しい。
ホテルという慣れない場所のせいだろうか？
手持無沙汰で退屈・・・
「もう、寝ちゃおうかな？」
スマホで時間を確認するも、寝るにはまだ早そうだった。
(ユノさん、来るかもしれないし・・・)
とりあえずキャリーを開けて、持って来た服をクローゼットにしまった。
(ユノさん来なかったら、明日はショッピングでも行こうかな)
そんな事を考えつつ気を紛らわせ、ベッドに座った。
スマホを確かめてみても、メールなどの連絡は無い。
(来るなら連絡あるよね？)
仕事が終わってそのまま来たので、少し疲れた。
横になっていつのまにかニュースへと変わっていたテレビを眺める。
意識がトロンとして来た頃、訪問者を告げるチャイムが鳴った。
「！」
慌てて起き上がりドアへと向かう。
「え、こんな時間に、誰？」
不安を感じながらドアに手をかけようとしたら、後方からスマホの鳴る音がして振り返った。
その時、ロックの外れる音がしたドアが開かれ、勢いよく侵入した人物に腕を掴まれた。
「っ！」
目の前が暗くなり、視界が閉ざされた。
「・・・Aちゃん」
「！」
一瞬の出来事に驚いたAは声も出せずにいた。
「Aちゃん？」
それはユノだった。
ユノの腕に包まれ塞がれていた視界。
反応のないAを不思議に思ったユノが覗き込む。
目に涙を溜めたAは少し震えていた。
「！ Aちゃん！？ 大丈夫？」
「・・・・・」
「ごめん、驚かせちゃった？」
Aは顔を背けて答えない。
「ごめんっ、ごめんねっ」
再び優しく包むとしばらく抵抗していたAが胸を叩いた。
「ごめんね・・・」
何度も謝りながら肩を優しくさするユノ。
「ごめん」
やがて落ち着いた様なAに再び謝る。
「・・・ひどい」
「うん、ごめん」
「怖かった・・・」
「うん、ごめんね。もうしないから」
「来ないかと思ったのに」
「うん、遅くなってごめん」
「来る前に、連絡くれないと・・・」
「したよ？」
「え？」
やっと顔を上げたAがユノを見上げた。
「・・・さっき」
笑顔でユノが指さす方を振り返ると、その先にはAのスマホ。
再びユノを見上げたAは口びるを尖らせていた。
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ryokasyu(プロフ) - 愛嬌さん» 申請ありがとうございます！お気に召していただけて本当に嬉しいです＾＾ (2021年1月12日 20時) (
レス) id: d540230153 (このIDを非表示/違反報告)
愛嬌(プロフ) - カホルさんの書くユノ大好きです^_^お友達申請させた頂きました。宜しければ承認お願いします。 (2021年1月12日 19時) (レス) id: dff3957b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カホル | 作成日時：2020年9月27日 16時
