雨と目薬が始まりでした。tkin etc.

紅茶とワッフル 1 ページ16

…
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「いらっしゃいませぇ。お好きなお席にどうぞぉ〜」

「涼介くん、これお願いね〜」

「はぁーい」


バイトを始めて２週間。
今のところ問題なく続いてる。



あれから高木さんと話してると、俺のバイト先が高木さんの知人の店だってことが発覚。

すっごい偶然！
なんでも昔、近所に住んでた幼なじみとか。





そんな高木さんの幼なじみの店長さんは、イギリス帰りの紳士。
すごく物腰が柔らかで、すっごく優しい。

さすが、高木さんの幼なじみ！
兄ちゃんや大ちゃんとは全然ちがう！



この店長さん、時々日本語がおかしなことになるから、オーダーは主に俺の担当になった。

いままでよくやってこれてたな。




店長の煎れる紅茶はとても香りが良くて、口の中でふわぁっと美味しさが広がるんだよねぇ。

店長は、頼まれればお客さまの好みやその日の気分に合った茶葉をセレクトしてお出ししている。

そんなとこもこの店が人気のひとつで、俺もあんなふうに煎れられるようになりたいなぁ。なんて思ってたら店のドアベルが鳴った。




カランッ。

「こんにちはー」

「いらっしゃいま……ゆうやっ！」

カウンターから慌てて走り出してきて、高木さんにハグをする店長。

それを優しく抱きとめる高木さんはとてもスマートだ。


だけど、さ、ここ、店ん中。
他のお客さまもいるんだから。
恥ずかしいじゃん。少し考えてよーっ
って思ってんのは俺だけみたいで……

常連のお客様たちは微笑ましく見ているし、学生さんらしき人達はキャーキャー喜んでるし。
しかも、あくまでも静かに……。



「圭人、涼介くんがビックリしちゃってるよ」

「あ、ごめんっ！つい」

「ダイジョブデス……」




丁度いいから休憩して。ここ座って。と高木さんの隣に座らせられた。


「ビックリさせちゃったお詫びね」

ミルクティと生クリームとイチゴがたっぷり乗ったワッフルが目の前に出てきて、つい……

「うわぁ〜。ありがとうございますっ！」
と、がっついてしまった。



「ほんとに好きなんだねぇ。イチゴ」

はっ！！隣の高木さんを忘れてた！

「はは、気づいてくれた？(笑)」

「ごめんなさい///」

「いいよいいよ。どお？だいぶ慣れた？ここ」

「は、はいっ！店長が優しく教えてくれます！」

こっちも助かってるよぉー。
涼介くんがオーダーとってくれるからさぁ〜。
オーダーミスも無くなったのぉ。


いや、それ、ダメだろ。店長としてそれって。
ちゃんとして。




…

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