Ｏ型犬の上手な手懐け方マニュアル２

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仁との距離が縮まるのに、そない時間はかからんかった

好きな音楽が一緒で

趣味も一緒

服の好みとか

時間のつぶし方とか


全部一緒


逆に好みが合いすぎて気持ち悪いくらいやった



仁「亮ちゃん、今週は？来る？」

亮「んー、今週はどうやろなぁ…
仕事けっこう詰まってるから無理かもしらん」

仁「そっか…」


たまたま仕事帰りに寄ったコンビニに仁が居って
途中まで一緒に帰る事んなった夜


亮「なんで？何かええイベントでもあるん？」

仁「いや…、そうじゃないんだけどさ
週末会えないってことは…次会えんのいつかなぁ…って」

亮「なんやそれw」


買ったばっかの缶ビール片手に隣を見ると
想像してた顔とは全然ちゃう顔した仁

てっきり笑てると思てたんに…


仁「また暫く亮ちゃんに会えねぇのな」


何でそんな寂しそうな横顔やねん…



亮「仁…？」



下から覗き込むみたいに顔色うかがうと



仁「それさ、狙ってやってんの？」

亮「は？」


何の話やねん


丁度うちと仁の家との分かれ道

立ち止まった仁が真っ直ぐ俺を見た



仁「会う度思うんだけど
亮ちゃんてさ、何でそんな可愛い仕草ばっかすんの？」

亮「な、何が!?」

仁「上目使いで見つめてきたり、肩に頭のせてきたり」

亮「そ、そんなんしてへんわ」

仁「してるよっ」

亮「してへんっ
か、仮に…、もし仮にしてたとして
別にそんな怒るような事ちゃうやん」

仁「別に怒ってない」

亮「怒ってるやん、口調が」

仁「怒ってねぇって
ただ…」



ただ…、なんやねん


仁「誰にでもそんな顔見せるのやめてよ」

亮「え…」

仁「勘違いしそうんなる…」




仁、お前…



その一言で色々悟って

仁との今までの事色々思い返して

色々反省して

結果、言葉選びに時間かかって
何も言わんと、仁を見つめた


仁「ほら…、また上目使い」

亮「お前よりちっこいねんもん、しゃーないやん」

仁「その顔、俺が1番好きな顔だって知っててやってる？」

亮「そんなん知らん」

仁「ずるいなぁ…亮ちゃんは」

亮「何が」


1歩近づいた仁の手が俺の髪に触れた


仁「全部」

亮「…」


引き寄せられた頭がギュッと胸に押し当てられた


仁「好きでいてもい？亮ちゃん」




ずるいんはお前やろ…

そんな言い方ずるいやん

あかんなんて、言われへんやん





女が好きやって……言うてたくせに…

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