【男主】涙でにじむ約束は Ⅲ (ページ46)

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本来の目的ページ46

向井side

向井「ん……」

カーテンの隙間から漏れてきた光で
目が覚めた。

目に入ってきたのは見慣れない景色。

あ、そっか。

Aくんの家来たんやった。

昨日Aくんの前で思いっきり
泣いてしまったことを思い出して
急に恥ずかしくなってきた。

そんなつもりで遊びにきたわけじゃないのに……。

……ん？

そもそもなんの流れで
来ることなったんやったっけ……

向井「うわぁあ！！」

Aくんに起こしてくれって頼まれてたんやった！！

頼まれてた時間はとっくに過ぎてて
Aくんの寝室にダッシュで向かった。

向井「Aくん！！」

想像してたのはまだ寝てるAくんの姿。

けどそこには整えられたベッド。

状況も理解できないまま
リビングに戻るとテーブルの上に書き置きと
家の鍵と水の入ったペットボトルがあった。

おはよう！
無事に自分で起きれたから
仕事行ってきます！
これ良かったら飲んでねー。
適当にゆっくりしていって！
鍵はポストによろしく！

　 A

向井「良かったぁ……」

いろいろありすぎて本来の目的を
忘れてしまった。

それでもAくんがちゃんと仕事に
行けてたことにほっとした。

次の日、俺はいつものようにレッスンを受けた。

やっぱりダンスのレベルの差に圧倒されたけど、
数日前みたいに心が折れそうになる感覚はなかった。

俺は俺らしく頑張ればいいって
Aくんが教えてくれたから。