【男主】涙でにじむ約束は Ⅱ (ページ9)

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自分に厳しい人だからページ9

向井side

A「ごめんな、疲れてるのに時間とらせて。
本当に今日はありがとう」

向井「とんでもないです！
っていうか、ほんまに大丈夫ですか？」

A「正直さすがにちょっと疲れたね」

Aくんは赤い頬をした顔で
ちょっと困ったように笑ってた。

向井「ゆっくり休んでくださいね」

A「ありがと。大変だけど一緒に頑張ろうな。
じゃ、またね」

向井「お疲れ様でした！」

頑張れよ、じゃなくて
一緒に頑張ろうな。

その言葉が、嬉しかった。

カッコよくて、優しくて、
強くて、努力家で、
どんなときでも全力で仕事をする。

あんな風になりたい。

もらったばかりの香水をにぎりしめながら
強く思った。

向井「うわ……」

思い出にひたってたら、
体感よりかなり時間が経ってた。

そろそろ風呂入って寝よう。

そう思って立ち上がった。

目線の先にあったのは、
あのときもらった香水。

大きな仕事のあるときと、
心が折れそうになったときは
あの香水をつけてみる。

そうすれば、
あのとき憧れたAくんの強さを
少し分けてもらったような気になれるから。

そんなこと知られたら、
Aくんに「康二の愛は重い」なんて
言われてまうんやろうな。