もしも明日が来ないなら ページ10
佐久間side
今日はとある雑誌の取材。
Aと２人で、インタビュアーさんから
いろんな質問を受けてた。
好きなタイプや、最近ハマっていること、
グループでも面白エピソードなんかいろいろ。
佐久間「そういえばA、服の値札つけたまま
仕事来たときあったよね」
A「ちょっ、それは極秘だろ！」
佐久間「ぜひ使ってもらって」
記者「意外な一面ですね」
くすっと笑いながら、インタビュアーさんが
メモを取っていた。
A「うわ、なんか使われそうな予感……」
いつもみたいに和やかにインタビューは
進んでいた。
記者「では最後の質問をさせていただきます。
もし、今日が人生最後の日だとわかったら
何をしますか？」
この質問はほかの雑誌でもよく聞かれる質問。
佐久間「俺はとにかく好きなアニメ
見まくりますね。
あー、でも１日しかないってなると
選ぶのめちゃくちゃ迷うなぁ。
せめて死ぬって分かってるならもっと
早く教えてほしいですね！」
記者「なるほど。やっぱり好きなことを
したいですよねー。
雪村さんはいかがですか？」
A「俺は……」
あれ、どうしたんだろう。
Aの目が、笑っていないような気がした。
A「……きっと、何もできないと思います」
記者「何もできない？」
A「そんな突然の死を告げられても
ただ戸惑うばかりで。
明日死にます、じゃなくて、
それが１年後に死にますだったとしても……」
俺だけじゃなくて、インタビュアーさんも
意外な返事に少しびっくりしたような
表情を浮かべていた。
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作者名：くらげ
| 作成日時：2021年10月17日 6時
