【男主】涙でにじむ約束は Ⅱ (ページ41)

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告白ページ41

渡辺side

今……なんて言った……？

向井「うそやろ……？」

康二が震える声で言った言葉が、
俺の聞き間違いじゃなかったことを
表してた。

A「ウソでもそんな冗談言わないよ。
趣味悪すぎ」

渡辺「……意味分かんないんだけど」

うそだ。

本当は言葉の意味は分かってる。

A「前にさ、レッスン抜けて
帰った日あったじゃん？」

覚えてる。

１ヶ月くらい前、そんな激しい振りでもないのに
めちゃくちゃバテてて、
体調悪いんだったら無理すんなって
みんなで言ったのに結局続けて……

で、限界迎えて帰った日だ。

でも、あのとき……

渡辺「疲れ出ただけだって言ってたよな……？」

A「……うん、言った。
近所のクリニックで診てもらって、
最初は疲れと睡眠不足だろうって。

けど、検査の結果で気になるものがあるから
すぐに専門医のいる大きい病院へ行けって
言われてここに紹介された。

それで……発症したら余命が１年くらいしかない
病気になってることが分かったんだ」

ありえない。

こんな話、信じられるわけないだろ。

淡々と話すAの姿と、
話の内容があまりにも一致しなさすぎて
とんでもない悪夢を見ているみたいだった。

いや、夢だったらどれだけ良かったか。

何でもするから、
誰か夢だって言ってくれ──。