【男主】涙でにじむ約束は Ⅱ (ページ23)

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カバンの中身ページ23

目黒side

目黒「俺、荷物取ってくるね。
１人で大丈夫？」

A「うん……本当ごめん」

目黒「だから謝らなくていいって」

Aくんを部屋に残して、
置いたままの荷物を取りに
楽屋へ戻った。

自分とAくん、２人分の荷物を持とうと
したときだった。

目黒「あっ……」

手からAくんのバッグが落ちてしまった。

そのとき、やっと気がついた。

自分の手が、震えていることに。

目黒「……ダッセェな」

自分が思っているよりも、
心は動揺してしまっているみたいだった。

目の前でAくんが倒れて、
このまま何かあったらどうしようって
めちゃくちゃ怖かった。

他のメンバーがいたら、
また何か変わっていたんだろうけど。

ひとつ、大きなため息をついて、
手を強く握った。

散らばってしまったAくんのバッグの
中身を拾おうとした瞬間、
自分の目を疑った。

目黒「なんだよ……これ……」

薬局の名前の入った袋がいくつも
広がっていた。

ただの風邪や、少し体調を崩しただけじゃない。

Aくんは、何かを隠してる。

それも、とても大切なことを。

胸が、ひどく騒ついた。