【男主】涙でにじむ約束は (ページ24)

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精密検査ページ24

Aside

滞りなくラジオの収録を終えた後、
俺は昨日行ったばかりの病院へ向かった。

診察券を受付に出すと、
待っていたかのように診察室に
案内された。

医師「お呼びたてしてすみません」

A「いえ、わざわざお電話
ありがとうございました」

医師「検査の結果で、こちらの病名の
可能性が出てきました。
お電話でもお伝えしましたが、
あくまでも可能性だということを
ご理解ください」

先生が机の上に置いた紙には、
聞いたことのない病名が書かれていた。

その下には症状として
頭痛、めまい、全身倦怠感、発熱、鼻出血、
吐気、嘔吐、動悸、胸痛、腹痛、貧血……
他にもいろんな症状がたくさん書かれていた。

なんでもありかよ。

心の中で突っ込んだ。

聞いたことのない言葉がいろいろ載っていて、
とりあえず流して読んでみる。

A「え……」

ある文章を見た瞬間、
胸の鼓動が早まった。

『この病気を発症してからの
平均生存年数は、おおよそ１年とされている』

なんだよ、これ……

看護師「大丈夫ですか……？」

同じ部屋にいた看護師さんが、
心配そうに声をかけてくれた。

A「だい、じょうぶです……」

声が震えているのが自分でも分かった。

医師「この病気を専門としている
医師のいる病院に紹介状を書いていますので
すぐにそちらで精密検査を受けてください」

A「……分かりました」

宛先は誰でも知っている有名な
大きな病院だった。

医師「しつこくいいますが、
まだ決まった訳ではありません。

精密検査はこの病気を否定するためにも
なっていますから」

A「……はい」

ただひと言、
そう返事をすることで精一杯だった。