募る(横山先輩) ページ42
2週間少しも会えてない。一目見ただけ。
声を掛けたのに、聞こえなかったのか
あいつは振り向かなかった。
愛「Aどこ回ってるんやろ……」
こいつらもAに会いたくて探してたから
ヒナが一緒に回ろうや言うて一緒に行動してる。
休憩も兼ねて食堂に来たけど
中には大人が数人チラホラと
生徒グループが1組。
華「先輩たちは当番午後ですか」
村「俺とヨコは今日なーんもない」
渋「俺も〜」
華「なんでですか？」
村「明日一日中人寄せパンダやから」
愛「やっばー」
案外話が盛り上がってる4人を尻目に
俺はヒナが適当に買ったもんをつついてた。
少し先の通路を人が通っても
普段は気にならんと思う。
だけど視界に入ったその後ろ姿は
いつも苺ミルクを買ってる
小さい背中によく似てた。
「ごめんっ」
村「ヨコ？！」
食堂を出るともう姿は見えなかった。
でも、まだ近くにはおるはずっ、
……いや、この上？？？？
部室棟に繋がる階段をゆっくり登っていく。
鍵の閉まったドアの前に三角座りして
顔を膝に埋めてる女の子がいた。
「A」
俺が名前を呼ぶとビクッと肩が動いた。
近づいてAの前にしゃがみこんだ。
「A、どうしたん」
鼻を啜ってて呼吸も少し早い。
泣いてるんは、
「俺のせい？」
頭を振るA。
A「ぜんぶっ…わたしが、わるいんです」
小さい声で途切れ途切れに喋るAに
不謹慎やけど愛しさが募る。
「なぁ、俺に話してくれへん？
Aが泣いてる理由、教えてくれへん？」
また頭を振る。
「俺じゃAの力になれへん？」
A「そうじゃっ…なくて、」
どうしたらAの顔が見れるんやろ。
きっと泣いてる目は真っ赤で
ずっと啜ってる鼻も赤いかもしれへん。
俺お前の鼻水ならワイシャツで拭いてやれるよ。
それくらい俺はお前のことが……
「好き。好きやねん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白雪王子(プロフ) - ささん» こんばんは！リクエストありがとうございます！10年後の…とっても楽しそう(*´ｪ`*)考えてみます！！お話できた時はぜひお願いします！！ (2019年6月12日 2時) (
レス) id: 6b695120d5 (このIDを非表示/違反報告)
さ - 10年後の物語り書いて欲しい！！！ (2019年6月12日 0時) (レス) id: da80ac47d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白雪王子 | 作成日時：2019年5月17日 20時
