SS_kwmr ページ9
!同世代設定。
!彼らしくお付き合いに至る話。
「僕の顔に何か付いてますか。」
美しい横顔をぼんやり眺めていれば、視線を合わせず聞き慣れた台詞が返って来た。
『いえ、別に。』
今時本当にこんな事を言う人がいるのか。
いやまあ、「食物繊維が体に良いなら紙を食べればいいじゃない!」(実際はそこまで言ってない)と言ったぐらいの人物だ。カビ臭い小説じみた言葉を言っても不思議ではないか。
「えー、うっそだぁ〜。絶対今何か考えてたでしょ、ねえねえ。」
あの端正な顔立ちはどこへやら。ころっと麗しの美少年はいなくなり、悪い事を考えている時の彼が顔を覗かせこちらを捉える。
よく動画(サブ)で見るなあ、その顔。
『何でもないですって。自意識過剰っていうんですよそういうの。』
接待笑いで素知らぬフリを決め込み、視線を本へ戻す。
「え?Aさん相手に自意識過剰にならない方が無理じゃない?」
『…?』
「だってAさん僕のこと好きでしょ?」
『は?』
「そりゃ調子には乗車するし自意識も高めになりますよねえ。」
『はっ!?あ、え!?何言ってんのちょっと、』
「はーいほら引っ掛かった〜、いえーい。」
『いやいやそうじゃなくて。何それ、どこまで本気…!?』
緩く腕を上げてにやけ面のまま煽って来られるが、知ったこっちゃない。余裕なんかなくなったもんだから思わず素直に食らいつく。
それに味をしめたのは、勿論目の前の神さまだけだが。
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作者名:りょ。 | 作成日時:2019年10月12日 3時