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2話 ページ3

クラスのしきたりと言うのは、
『睨まれた蛙は蛇が飽きるまで何も
出来ない』というもの。

このしきたりは、ことわざである
「蛇に睨まれた蛙」という言葉から
生まれたものである。

『蛇に睨まれる蛙は、一度につき一匹。
蛙は、蛇に何をされても何を言われても
何も口答えせずに言われたことを
しなければならない。』

『今睨まれている蛙の、前のターゲット
だった者は必ず自分の次の蛙にとっての
蛇で無くてはならない。

簡単に言えば、次のターゲットが
決まった場合、前のターゲットだった
人も必ず次のターゲットをいじめ
なければならないという事。』

主なルールはこの2つ。
他にもあるのだろうが、聞きたくなかった
のであまり聞いていない…から、
その辺りしか知らない。

 そして…選ばれる蛙は、完全ランダム。
誰が選ばれるかもランダム。
最後に選ばれた蛙から
変わるまでの日数もランダム。

昨日まで一緒になって蛙をいじめていた
蛇側の奴が、今日唐突に蛙になるかも
知れない。それは全て、ユウガに
決定権がある。…嫌なことに。

ユウガが「なんか昨日むしゃくしゃ
したから、腹いせに蛙変えよ。
アイツにしよう、アイツ。」と言って
適当にいじめられる人は決まってしまう。

私も…そうだ。
何をした訳でもない。なのに…

「あははっ、アイツだけシューズ黒っ!」
「あっれぇ?椅子壊した人がいる〜!」
「臭い〜!…うっわ、コイツの机の中
ゴミ入ってんだけど!きったね〜!」

……煩い、全てお前がやったことだろうが。
毎日毎日、そう言ってやりたかった。
でも…口答えはしてはならない。
2つのルールを破ったら、これだけで
済んでいるいじめがもっと酷くなる。

…だから、理不尽だと分かっていても
それを守らざるを得ない。

自分が、不甲斐ない。

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作者名:水誓 夢月 | 作者ホームページ:なっしんぐ  
作成日時:2021年2月8日 4時

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