37話 ページ39
乱歩side
＿＿＿朝
寝室に響き渡るどちらのものか判らない携帯電話の着信音。
この音は歩斗かなぁ？
天宮｢ん…はい、もしもし…｣
それにしても、こんな早い時間に電話なんて歩斗は可哀想に…
ま、僕には関係ないや、寝よう…
天宮｢…えっ、お前…｣
歩斗が布団から出て隣の部屋へ移動する音が耳に入る。
天宮｢なんで＿＿＿…はぁ？｣
僅かに漏れる声から察するに余り善い電話ではなかったと思われた。
天宮｢…なら僕だけで＿＿＿？
なんで＿＿＿んだよ｣
うーん…気になってしまう。
歩斗の声のトーンも何時もより結構低くなっているし、朝だからって訳でもないだろうし…
天宮｢判ったから、＿＿＿＿｣
終わったのか足音がこっちに近付いてくる。
そして部屋で何時もの服に着替えると足早に出て行き、少し経つと家の扉が開閉する音が聞こえた。
乱歩｢こんな朝早くに…
社長の云っていた戦争が始まるって云うのか…｣
すっかり目の覚めた僕。
寝室の扉を開け居間へ移動する。
勿論歩斗の姿は無い。
ふと、目に留まった食卓の上の紙。
手に取り見つめる。
其処には＿＿＿
"ごめんなさい"
乱歩｢歩斗…｣
歩斗が居ないので1人で探偵社に向かう。
乱歩｢おはよー｣
国木田｢…嘘だろ｣
乱歩｢国木田ー？｣
国木田｢！あ、乱歩さん。おはようございます！｣
新聞から顔を上げる国木田。
耳を澄ますと探偵社ではあまり聞かないテレビが点いていた。
其処には太宰と敦くん。
乱歩｢なにー？
…ああ、ギルドが動き出したのか｣
太宰｢矢張りそうなりますよね…｣
乱歩｢うん…賢治くんは見つかったの？｣
谷崎｢駄目です…賢治くんの部屋に行きましたが、居なくて…｣
中島｢乱歩さん、歩斗くんは…｣
乱歩｢歩斗もそうだろうね｣
中島｢え…｣
乱歩｢今朝誰かと電話してた｣
太宰｢其れがギルドの誰かであったと｣
乱歩｢うん。
多分歩斗は敦くんのことを云われたんだと思うよ｣
中島｢僕のこと…？｣
太宰｢つまり脅されていたと云うことですか｣
乱歩｢断定は出来ないけどね｣
太宰｢拙いね…かなり強力な2人が居ないとなると…｣
国木田｢敦、谷崎と一緒に賢治を探してこい、太宰は社長と俺で会議だ。
乱歩さんは…｣
乱歩｢うん、歩斗のことを探すね｣
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作者名：星夢 | 作成日時：2017年1月7日 0時
