34話 ページ36
乱歩「ちょ…歩斗、痛いって…」
僕にしか聞こえない様な乱歩さんの声で気が付いた。
天宮「はっ…あ、すみませんっ」
思わず乱歩さんの手を力強く握ってしまっていた。
ナオミさんが接待して彼等は社長室へ入って行った。
乱歩「行ったよ
天宮「はぁ…良かった」
気付かれなかった安心と少し窮屈だった空間から出られたことから溜息が出た。
天宮「ありがとうございました!」
乱歩「それにしても、いきなりだね」
天宮「予想外でした。
僕の事を探しているのは知っていたけどこんなに疾く来るとは…」
乱歩「目的は歩斗の身柄と…異能開業許可証か」
天宮「あれを社長が手放すとは思えません」
乱歩「歩斗のことも手放さないよ」
天宮「そうだと嬉しいです」
乱歩「社長がそんなに冷たい人だと思ってるの?」
低くなった乱歩さんの声。
社長の話になると何時も低くなる。
天宮「いえ…思ってなんかいません」
乱歩「大丈夫だよ。
社長が手放しても僕が離さないから」
頭に手が乗り撫でられる。
天宮「其れは本当に嬉しいことです」
社長室の方を見るとナオミさんがお茶を持って行くところだった。
天宮「乱歩さん失礼します!
___ナオミさん」
ナオミ「あら?如何しました?」
天宮「後ろに隠れさせてください」
ナオミ「ええ…入るんですの?」
天宮「一寸…様子を確認したい」
ナオミ「判りましたわ」
静かに扉を開け社長室に入るナオミさんの後ろに隠れながら、部屋の隠れられる場所へ移動する。
フランシス「天宮歩斗…知っているか?」
丁度僕についての話題。
福沢「其のような者を探していると云うことは知っているが」
フランシス「どうやら…此処に居そうだ」
何で気付かれてるのぉ…
福沢「ふむ、そうか…」
フランシス「渡してくれ
___と云って渡せる者ではないか」
笑いを零すフランシス。
フランシス「まあいい。
孰れまた伺おう」
扉へ向かう3人。
賢治くんが送りますと云って扉を開けた。
3人が居なくなった社長室。
これは…拙いな。
僕の予想していた未来になってしまった。
ギルドは1人1人が凄腕の異能力者の集まり。
僕1人で如何にかできる事ではない。
探偵社総出で向かい合わなければ負けてしまう。
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作者名:星夢 | 作成日時:2017年1月7日 0時