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12話 ページ14

天宮「ほぉ〜如何にも出そう…」
 
中島「で、で、出る!?」
 
天宮「落ち着いてくださいよ〜」
 
此処は倉庫。
 
虎に会えるかもと云われ太宰さんについて来た。
見ての通り怯えている敦くんと、
 

太宰「だろう?歩斗、怖くないかい?」
 
やたらと僕の頭をぐしゃぐしゃに撫で回す太宰さん。
 
天宮「太宰さんのほうが怖いです…」
 
こんな暗闇でニコニコ笑い頭撫でてきたり、彼の愛読書を読んでいたり…
 
天宮「虎は何時現れるんですかね」
 
倉庫の天井から月が見える。
 
太宰「そうだね…もうそろそろ?」
 
中島「あ、月が…」
 
敦くんが月を見上げる。
 
ガラガラッ
 
天宮「わっ!吃驚した…」
 
中島「や、奴が来たんだ…!」
 
天宮「え!?」
 
太宰「落ち着き給え敦くん。
虎はあんな処からは来ない、風で何か落ちたんだろう」
 
中島「でもっ…」
 
敦くんの様子が可笑しい…彼が月を見てからか。
 
太宰「そもそも可笑しいのだよ…」
 
それから太宰さんが述べた事は僕も不思議に思っていた敦くんの孤児院の事。
 
普通経営が傾いたからって児童1人を追放はしない、するなら半分位が妥当。
 
僕の真逆が当たるなんて…
 
天宮「敦くんがこの街に来たのは2週間前、虎がこの街に現れたのも2週間前…」
 
太宰「そう。
そして、君が鶴見の辺りにいたのが4日前、同じ場所で虎が目撃されたのも4日前…」
 
 
天宮「一致してる…」
 
太宰「よく分かったね、歩斗くん。

さあ早く此方に来た方がいい」
 
天宮「え?あ…」
 
 
中島「うぅぅ…うっあぁぁぁあ」
 
敦くんが立っていた場所に、
 
天宮「綺麗…」
 
とても美しい毛並みの虎が。
 
呆気に取られてる暇はない。
 
天宮「太宰さん!ここは僕が…!」
 
丸腰な太宰さんの目の前で両手を広げる。
 
天宮「異能力《夜の銀華》破壊眼!」
 
此の攻撃で相手の身体に傷がつく…
 
天宮「え!傷がついてない…?」
 
当たったであろう攻撃は傷を作らず、虎は悠然と立っている。
 
太宰「歩斗くん!」
 
いきなり現れた太宰さんに手を引かれ虎の死角になる場所へ連れてこられた。
 
太宰「此処でじっとしているんだ、いいね」
 
そう云い残し太宰さんは虎へ向かって行った。
 
天宮「太宰さん…!!」
 
僕の心配を他所に太宰さんは俊敏な動きで虎の攻撃を躱す。
 
鋭い爪…あの爪なら人の首なんて飛ばすのは容易いだろうな。
 
太宰「異能力《人間失格》」



 

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作者名:星夢 | 作成日時:2017年1月7日 0時

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