sweet glacier～甘い氷河～6 (ページ3)

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フィアンセページ3

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母「これ、娘のA。」

ユウキ母「まぁー、綺麗になったわねー！小さい頃から可愛かったけど笑」

「…ご無沙汰しています。」

完全に仕事モード入れてるけど。
そうじゃなくちゃ乗り切れない。
第一、本当に覚えてない。

ユウキ父「Aちゃん、久しぶりだね。いやぁ本当に綺麗になった。うちのお嫁さんにしたいよ笑」

「いやいや！そんな！」

「綺麗になった」こともそうだけど。
「お嫁さんにしたい」のところに対してはより強く否定します。
…うちの父も笑ってるけど笑ってないので。

だけど。

ユウキ母「そうよそうよ！お嫁さんに来てくれたら嬉しいわぁ。幼稚園の頃そう約束したし！」

…え。

「しましたっけ…そんな約束。」

母「ふふん。したのよ実は笑」

父「…したにはしたな。」

…そうか、したのか…。
かといってそれが実際に効力をもつことなんてないのは分かっているけれど。

ユウキ母「ユウキはいつもいつもAちゃんがーAちゃんがーって言ってたのよ？笑」

母「やだ、Aもよねぇ？お父さん、ヤキモチやいてたもの笑」

父「…父離れの瞬間だったなぁ笑」

肝心の「ユウキ君」はこんな日でも仕事らしく、まだ姿を現さないけれど。
そうは言っても時間の問題で。
何だか落ち着かない。

もうすでに年明けみたいな豪勢な食事の準備を手伝いながら。
「ホントにお嫁にいらっしゃいな」なんて言われて。

「貰い手がなかったらぜひ笑」

なんて社交辞令マンマンだけど。
リョウクが聞いたら怒るかな？んー、拗ねる？

とはいえリョウクが貰い手になるような話なんてしたことがなくて。
私自身、そこまで考えたことはないけれど。
世間一般ではそう言う話になる年齢なのか、なんてぼんやり考えた。

ていうかまず。
何で彼氏がいない前提なのかしら。
まあ、聞かれても困ることが多いからいいけど。

「ただいまー。」

キッチンにいても聞こえたその声はきっと「ユウキ君」。
賑やかになるリビングの雰囲気を感じながら、一気に高まる緊張感。

ユウキ母「やだ、ちょうどいいタイミングで帰ってくるんだから。じゃ、Aちゃんも行きましょ！」

「あ、はい…。」

出来立ての料理を運んで。
キッチンからリビングなんて、ほんの一瞬だから。

ユウキ母「ユウキ、ほら、フィアンセのAちゃん。綺麗になったでしょう？」

フィアンセとか…ほんとやめてください…泣