sweet glacier～甘い氷河～6 (ページ12)

今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:59,015 hit

タイムカプセルページ12

・

ユウキ「お、仲直りした？笑」

「え？笑」

ユウキ「あれ？そーゆー電話かと笑」

「あー…はは。」

仲直り…
別に仲違いしていたわけではない、と思うけれど。
リョウクも理解してくれた…してくれようとしているし。
一旦終着したのだから、それで間違いではないのかも。

ユウキ「お正月ってずーっとテレビ見ちゃわない？どこも面白くてザッピングしっぱなし笑」

「あー、分かる笑」

ユウキ「あ、何飲む？アルコールはダメでしょ？」

「うん、ダメ笑」

いくら理解してくれたとはいえ。
ここでまたアルコールは…絶対違うから。

ユウキ「ん。じゃコーヒーでいい？」

「あ、うん。ありがとう。」

ユウキ「あ、そこのみかん好きなだけ食っていいよ。コーヒーと合うか分かんないけど笑」

こたつの上にカゴ盛りされているみかん。
「THE 日本の冬」なこの光景にやっぱり心が和む。

ユウキ「あ、そうだ。そーいや面白いもんが出てきたんだよ。」

そう言って彼が持ち出したのは随分と古びた缶の箱。

ユウキ「これ覚えてる？」

「うん？全然分かんない。」

ユウキ「だよね。俺も全く覚えてなかったんだけど…」

ギギ…と鈍い音をさせながら開いた箱から出てきたのは小さなぬいぐるみやらミニカーやら。

「タイムカプセル…？」

ユウキ「いわゆるね。はいこれ、開けてみて笑」

渡されたのは1番下に眠っていた封筒。

ユウキ「思い出せても出せなくても恥ずかしいから覚悟して笑」

「え？ヤダ笑」

恐る恐る開けた中身。

《Aちゃんへ

Aちゃん、ぼくはAちゃんのことがだいすきです。だからしょうらいはぼくとけっこんしてほしいです。
Aちゃんはかわいいおよめさんになって、かわいいあかちゃんをうんで、いつまでもしあわせにくらしましょう。やくそくだよ。ゆうきより。》

そして封筒には、小さな指輪。
プラスチックのおもちゃの指輪。
今はもう、小指にも入らないほどの。

「……笑」

ユウキ「ちなみにこっちはAちゃんが書いたやつね笑」

《ゆうきくんへ

ゆうきくん、わたしはゆうきくんのことがだいすきです。おとなになったらゆうきくんとけっこんしてきれいなおよめさんになって、きれいなおかあさんになって、しあわせにくらしたいです。
ゆうきくんはかっこいいおとうさんになってください。だいすきです。Aより。》

「…ふふ。可愛い。」

これが私たちの「婚約」の真相。