sweet glacier～甘い氷河～6 (ページ11)

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機微ページ11

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RW「…は？何それ。誤解させたAより誤解した僕の方が悪いわけ？」

「そうじゃないけど…そんなに信用されてないのかと思うと悲しくなる。」

RW「…………。」

はっきりと言葉にした気持ちが輪をかけて私を悲しくさせる。
…自業自得だけど。

RW「信用してないとか…そんなんじゃないじゃん。」

「でも私、よく疑われた。」

RW「付き合う前のことは水に流してよ。」

「リョウクが言ったんだよ。さっき。」

RW「そうだけど…それはごめん。謝る。」

別に謝らせたいわけじゃなくて。

「もっと…信用してよ…。」

RW「だから…信用してないとかじゃなくて。心配なんだよ…。」

「何が？私もう大人だよ？なんならリョウクよりヌナだよ？何がそんなに心配なの？」

RW「ヌナだから。やっぱり年下じゃ頼りないから、ってヌナが心変わりしないか心配なんだよ…。」

「私が不安にさせてる、ってこと？」

RW「違う。僕が勝手になってるの。」

付き合い始めてもうすぐ10ヶ月が経つのに。
ちょっとしたことで疑って不安になるリョウク。
そしてそれは上手く気持ちを伝えられていない私が原因なのかもしれない。

つまり…私たちは何も変われていなくて。
それもお互い好きが故だと思ってきたけれど。
…思っているけれど。

「…………。」

愛されている自覚はある。
愛している自覚は、もっとある。
けれど。

ここへきて急に、それだけじゃ乗り切れない何かもっと…根本的な何かがある気がしてきて。

でもそれは、今こんな顔も見えない状況で解決できるものじゃなくて。

RW「A？」

「…うん？」

RW「何考えてる？今。」

いつだって私の機微に敏感なリョウクに嘘なんて通用しないのだけれど。

「ん？…会いたいなぁ、って。」

RW「え？この流れで？笑」

「うん…話したい。」

直接会って…話したい。
どうなるかなんて、分からなくても。

RW「うん、帰ってきたらね。」

「うん…。」

それが前向きな意味でないことも、きっと分かっているはずなのに。

RW「良かった。まだ会いたいって思ってくれて。」

「え？」

RW「…いや、ごめん。何かダメだ。」

何かを自己完結したように話すから。
急いでその後を追いかける。

「何が？」

RW「ううん、Aが何でもないなら僕も気にしないから。ちゃんと楽しんでおいで。」

「うん、ありがとう。」

…どうして私はこの人の機微に気付けなかったんだろう。