告白 ページ9
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突然鳴り出した携帯にピクリと反応する。ディスプレイに表示されたのは【吉沢亮】の文字で、思わず出るのを躊躇ってしまう。どうしようと思っていると私の手から携帯が消え、相原さんが電話に出てしまった。
『ちょっ、相原さん…!』
“ もしもし!? ”
「やっほー、吉沢くん。電話して来たってことは何か分かったってことかしら?」
“ 相原さん…?Aは!? ”
「そんなに焦んないでよ!今から教える住所にいらっしゃい。…今回の事、きちんと話してあげる」
『なっ…!?』
“ …すぐ行くから、逃げんなって言っといて ”
「はいはーい(笑)」
じゃあ待ってるわね、と言って相原さんが電話を切る。顔を真っ青にして彼女を見ると、優しく微笑まれた。
「社長からの命令。ちゃんと、彼に話してあげなさい。吉沢くんと付き合い始めてから1人で抱えて悩む癖、無くなったと思ってたけど彼の事になると変わってなかったようね(笑)」
『そ、れは…』
変わらなかったわけじゃない。けど、亮の事になるといてもたってもいられなくなるからどうしようもないのだ。どう答えればいいのか口篭っていると、相原さんの自宅の扉が開き亮と隆が飛び込んできた。
『りょ、……!?』
「会いたかった…」
「電話切った直後、金も払わず店出ようとしたから慌てて着いてきた。A、心配したよ」
『隆…。ごめん、ありがとう』
「ちゃんと、全部、話して?Aの口から今起きてること、知りたい」
真っ直ぐに瞳を見つめられ、こんなにも心配させてたのかと涙が出そうになる。私は事の全てを2人に説明した。
ストーカーから手紙が届いた事、その中身が写真だった事、亮の顔が塗り潰されていた事、手紙の内容が脅迫まがいなものだった事。
話が終わる頃、亮と隆は今まで1人でよく頑張ったねと優しく笑って頭を撫でてくれた。私は亮に抱き着いて泣いた。今まで我慢して繕っていたものを全てとっぱらって、大声を上げながら。
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冬野 望 - いつもキュンキュンさせてもらってます(///∇///)ゞ続きがとても気になります!更新よろしくお願いします。 (2021年11月15日 19時) (レス) @page11 id: b9df98442b (このIDを非表示/違反報告)
もえ - このお話ほんとに大好きです!更新待ってます (2018年10月14日 7時) (レス) id: 4f1eef5eb6 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 面白いです!更新待ってます…! (2018年10月8日 1時) (レス) id: 4255ed9691 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - 更新、待ってます!頑張って下さい!! (2018年10月7日 0時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有栖 | 作成日時:2018年9月30日 12時