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6畳のワンルーム、その狭い空間のほとんどがゴミ袋で埋まったオンボロアパート
辛うじて確保してある、布団が敷いてある睡眠スペースに赤ん坊を抱いたグルッペンと僕がちょこんと座る
「……大先生、子供を育てるのにこの環境は少々劣悪すぎるぞ」
「…え、僕育てるん？」
そう尋ねると、「当たり前だろう」と言って1枚の紙を鞄から取り出すグルッペン
その紙にはでかでかと「DNA型父子鑑定書」と書かれており、下の欄には「あんたこの子の父親ですよ」というような旨が記されていた。
僕の知らない間に、この子と僕のDNA鑑定をしていたらしい
「…こんな証拠出されたら何も言えんのやけど」
「そうだろう？よって大先生にはこの子を育てる義務がある」
グルッペンは、満足そうな顔をして赤ん坊をこちらに渡してくる
いやいや、そんな満足そうにされても困るのだが。
「この子の母親は？なんでグルッペンがこの子連れてきたん」
「なぜ俺がこの子を預かったのかは、すまないが言うことが出来ない。…母親については、そのうち話そう」
「…なんも情報ないやん」
「まぁ頑張ってくれ」
そう言って立ち上がり、先程車から持ってきたこの子の母親から預かったのであろう、服やらミルクやらおもちゃやらが沢山入ったバッグをわざわざ僕の目の前に置く
「親権はちゃんと大先生になってるゾ」
「拒否権ないやん」
その言葉に、昔のように豪快に笑って「部屋掃除しとけよー」と言葉を残しグルッペンはさっさと家を出ていった
そしてグルッペンが帰ってから気づいた
「…名前聞いてへんし」
さらにはグルッペンの連絡先すら知らない
どうしたらええねん
とりあえず邪魔な荷物をどかそうと、グルッペンが置いていったバッグを押し入れに押し込む
バッグの中からチラリと見えた、この赤ん坊の服はどうやら市販の物ではなく手作りのようだった。
「…よくこんな手の込んだもの作れるわ」
バッグから１着取り出して広げ、そう呟く
白がベースのその服は、とても手触りが良くて高い素材を使っていることが明らかだった
そしてその白い服に、青い刺繍が入っていることに気がつく
「……A？」
ローマ字の筆記体で縫われたその文字は、この子の名前なのだろうか
…まぁ、手作りの服に縫われているのだからそうなのだろう。
服を丁寧に畳んでしまい、赤ん坊が起きる前に掃除を済ませようと思い立ち上がった
続く
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ランチ - あのですね…最初から見たんですよ、1時間経たないくらいで読んでしまったんですけどね。なんかもう言われた通り手のひらで踊らされてましたわw恐怖や驚きなどなんか分からん感情が混ざり合って読み進めるのもドキドキして面白かったです!また親子の物語が… (2021年12月6日 3時) (
レス) @page5 id: 48939b9218 (このIDを非表示/違反報告)
はぁな。 - 音羽リン様、急かしたい訳ではないのですが…更新待ってます… (2021年7月31日 16時) (レス) id: b36ca423a9 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 続け方、凄く鳥肌が立った……好き。 (2021年7月2日 1時) (レス) id: 9dbbda50e8 (このIDを非表示/違反報告)
瑚桜 - すこです…！ (2020年11月7日 21時) (レス) id: 3cd7fd4374 (このIDを非表示/違反報告)
ポメ - あぁ〜続きが気になる〜、けど無理なく更新してください！続きいつでも待ってます！ (2020年2月17日 23時) (レス) id: 607db00f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音羽リン
| 作成日時：2020年1月15日 17時
