ページ ページ10
.
「じゃ、僕らは教科書買ってくるよ」
「私たちはグリンゴッツ銀行のあたりにいるから終わったらそこに来て頂戴ね」
「わかった」
最後に軽く手を振って、フローリシュ・アンド・ブロッツ書店に向けて歩き出した。
「…ごめんね、在学中の手紙とか夏休み中に君のことを話してから興味津々でさ」
申し訳なさそうに言ってくる彼にAは軽やかな声で答えた。
「全然？むしろにぎやかな家族でいいじゃない。仲がいいのが伝わってきたわよ？」
「そういってくれると心が軽いよ」
「それに、ご両親が興味を持つほど私のことを話してくれたのね？」
にひひっと笑うAに彼は顔を赤らめた。
好意を持っているとありありと伝わってきたと遠回しに言ってきた彼女にセドリックは顔を覗いてきた彼女の目線から逃げるように顔をそむけた。
愉快愉快といった顔のAを見て、うまく手のひらに転がされてるなと感じたセドリックだが、不思議と嫌悪感などといったものは湧き上がってこず、Aになら何されてもいいやと思ってしまうのはそれほど、彼女に惚れ込んでいるということだろう。
「あ、ねぇ、教科書リスト見た？」
「……あぁ、例のやつかい？」
「…やっぱり、みんなあるのね……」
セドリックは教科書リストと聞いて真っ先に思い出したのが、ギルデロイ・ロックハートの本の羅列だった。一冊だけ彼の本を持っているセドリックが読んでみて思ったのが、時間の無駄だったということだ。
クィディッチに関する話があったので買ってみたところとんだ肩透かしを食らったと、セドリックにしては珍しく愚痴をこぼした。
その話題を振ったということは、とセドリックは顔を引きつらせておずおずと尋ねた。
「…もしかして、A、彼の」
「私が彼のファンじゃないかなんてことは言わないわよね？」
「も、もちろんさ。いうわけないよ」
噓だ。おもいっきりそう聞こうとしていた。
いつもは可愛いその笑顔が今は、目が笑っていないように感じ、ゾクッと背筋に悪寒が走った。
「そうよね。貴方は言うわけないと思った」
バクバクとクィディッチの試合でも体験したことがない鼓動にセドリックは初めて、Aに恐怖を感じた。もし、言ってしまっていたらと思うととてもじゃないが、考えたくない。
そんなセドリックを横目にAは、怖がらせるつもりはなかったんだけどなとあっけらかんとしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルザミーネミリオネア(プロフ) - rhpさん» コメントありがとうございます！私がセド推しなのでどうしても出番が多くなってしまって…。喜んでくださりありがとうございます！遅い更新ではありますが最後までよろしくお願いします！ (4月24日 6時) (
レス) id: b215f5fa49 (このIDを非表示/違反報告)
ルザミーネミリオネア(プロフ) - mkmkさん» 面白いと言ってくださり誠にありがとうございます！ぜひ最後までこの作品を見ていただけると嬉しいです！ (4月24日 6時) (レス) id: b215f5fa49 (このIDを非表示/違反報告)
ルザミーネミリオネア(プロフ) - ふがしさん» 教えてくださりありがとうございます！そしてこの作品をご覧くださりありがとうございます！遅い更新ではありますが最後までお付き合いお願いします！ (4月24日 6時) (レス) id: b215f5fa49 (このIDを非表示/違反報告)
rhp(プロフ) - 更新してくださってとても嬉しいです！しかも、セドリックとのラブラブシーン！このお話しを読むだけで仕事を頑張れるます！また楽しみに更新まってます！ (3月28日 9時) (レス) id: bb27464aa5 (このIDを非表示/違反報告)
rhp(プロフ) - ものすごく面白いです！次が気になって仕方ないです！セドリックのラブラブがみたいです！更新楽しみにしています！ (3月26日 22時) (レス) @page45 id: bb27464aa5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルザミーネミリオネア | 作成日時：2023年2月15日 14時
