【月島蛍】恋は優しいラッピング。

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『あ。』





たまたま帰りに体育館の前を通った。

キュッキュッとシューズの音。

バシッとボールを叩く音。



ちょこっとあいているドアから覗いてみると

男子バレー部が部活をしていた。



その中には影山くん。

よくバレーの話をしていたのは部活に入っていたからなんだ。





「あれ、君。」






パッと後ろを振り向くと綺麗な彼がいた。

未だに名前を知らない。

ツッキーというあだ名くらい。

そういえば前より話すようにはなったけど、

彼のことを何も知らないなぁって。



いつもヘッドフォンをしているから、

なんの音楽を聴くのかとか好きな食べ物とか。

聞きたいような....ゆっくり知ればいいかなとか。






『あ、えっと...たまたま通りかかったら同じクラスの影山くんがいたから覗いてたの。』


「へぇ〜。そういえば王様と同じクラスか。」


『バレー部に入っているの？』


「うん。ミドルブロッカー。」


『通りでスタイルがいいわけだねー。』


「どーも。暇ならみてく？」




予想外の言葉。

私みたいな知識ない人間がみていてもいいのだろうか。

でも彼がバレーしているところをみたい気持ちもある。



あ。

またひとつ。彼がバレー部ということを知った。









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