ドラマチックドライブ ページ10
Aside
何度断っても大谷さんはなかなか引き下がってくれなかった。どうして彼はこんなに私に優しくしてくれるんだろう。
『こんな遅い時間に一人で歩くのは危ないよ。』
「いや、でも私みたいな一般人と二人で歩いてるの見られたら大変です！それに私の家、地下鉄で5駅先ですし…。」
『大丈夫、俺近くに車止めてるから。それなら5駅先でも問題ないし、変な噂されることもないでしょ？あ、もしかして彼氏いたりする？それだったら俺、』
「いないです！」
思わず食い気味に答えてしまった言葉を口に出してから後悔する。私なんか変だ。でも大谷さんがじゃあ決まりだね、と優しく笑うからそれ以上何も言えなかった。
＊＊＊
本当に近くに車を止めていた大谷さんは私を助手席に乗せてくれた。彼は散らかっててごめんね、なんて頭をかいていたけど車内にはたくさんのトレーニング器具や野球の道具が整理整頓されて置かれていて私は本当に彼があの大谷翔平で、彼と同じ空間にいることを自覚してしまった。体はすでにがちがちに固まっている。
『あの後、課題や授業は順調？ていうか、大学院で何の勉強してるの？なんでアメリカに来たの？』
ダウンタウンを出発して早々大谷さんの質問攻めが始まって思わず目を瞬いた。
「え、あ、えと、」
『あ、ごめん。何かこっちに来てる大学院生なんてすごい子色々知りたくなっちゃって。』
「前も言いましたけど、私は全然、」
『ね、皆勘違いしてるけど、俺って野球以外凡人だからね。じゃあ俺から野球をとったら何が残ると思う？』
肩をすくめて言う大谷さんに口ごもっていると彼はほらね、と遠くを見つめた。
「い、いけめんじゃないですか。」
『え？！』
「あ、えと。ああ！わ、私はこっちで政治学を勉強していて、大好きな政治の本の筆者が今の院にいらっしゃって、えと、」
『あはっ！！へえ、そうなんだ。』
大谷さんが私の失言を凄く嬉しそうにするから私は益々肩身が狭くなった。彼の笑顔を見ると胸が痛くなる。遠い世界の人なのに、近くにいると勘違いしてしまうから。
『そういえば、まだ名乗ってなかったね、ごめん。俺は大谷翔平。今年29になります。君は？』
存じ上げております。なんて心の中で叫びながら私も失礼のないようにと口を開いた。
「私は、宮野Aです。今23歳です。」
一瞬の沈黙の後、赤信号で車が止まった。大谷さんは驚愕した表情で私の顔を見つめて呟いた。
『岩手の神童＿＿？』
「…へ？」
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みび - 続きが気になります！ (9月8日 23時) (
レス) id: 4e8c4ab155 (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - miya381117さん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (6月4日 16時) (レス) @page30 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
miya381117(プロフ) - 続きが気になりすぎて眠れない^ ^翔平行けー！ (6月1日 21時) (レス) @page29 id: e8bd8eef5b (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - 桐山めぐさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごくうれしいです！！投稿頑張ります！ (6月1日 17時) (レス) @page29 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - こんにちは！このお話めちゃくちゃ面白いです♪大谷さん 主人公ちゃんに連絡出来ない日々を耐えてやっと会えると思ったのに、、主人公ちゃんに何もありませんように祈ります(T_T)続きも楽しみにしてます！応援してます♪♪ (6月1日 17時) (レス) @page29 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るう | 作成日時：2023年5月26日 15時
